【サメ辞典:ネコザメ】海の藤原紀香さま!? 恋多きネコザメの不思議
ネコザメと筆者

水族館に響く大きな音の正体は?

ガリッガリッガリッ・・・

ここは静岡市清水区にある東海大学海洋科学博物館。横幅2mほどの水槽の中にいれた防水マイクで拾ったガリガリという音が、水槽前に設置されているスピーカーから響いてくる。なにか硬いものを硬い石のようなもので叩き潰すようなはっきりした音。水槽の前に集まった15名ほどの来場者が前のめりになって観察している先にいたのは、もぐもぐと口にエサをほおばる茶色い縞模様のある、1mほどのネコザメだった。

日本に生息するネコザメ(学名:Heterodontus japonicus)は生まれたときのサイズは18cm、成熟サイズは少なくとも69cmと考えられており、最大120cmになる小型~中型サイズのサメである(Shark of the worldより)。サメといえば、鋭い歯で魚などを切り裂くイメージがあるが、なぜ、ネコザメがエサを食べるとガリガリと音がするのか。

ネコザメは関西から九州方面では別名「サザエワリ」と呼ばれている。好物はサザエやウニ、エビ・カニなどの歯ごたえのありそうな無脊椎動物。それらを食べるために、歯の形が特異的に進化した。

ネコザメの顎

この写真を初めて見た人は大抵、サメの顎だということに気がつかない。これがネコザメの顎で、敷石状についているものが歯だと説明しても困惑した表情になることもしばしばだ。無理もない。サメの歯のイメージは牙(きば)のように大きく尖った歯であるからだ。

しかしながら、実際にサメは500種類以上も存在する。ネコザメの歯は、陸上の草食動物が草などをすりつぶして食べるときに使う臼歯と同じような役割を担っている。このように、歯の形や食べるエサの種類も多様で、一風変わった歯の持ち主のサメも存在するのだ。

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