学校・教育 シンガポール
国籍や国民国家の枠を超えて、地球規模の発想ができる場所
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シンガポールにいるという感覚はない

自分の目的を達成するために一番いい場所がシンガポールだったから、たまたま私はこの地にいる。シンガポールという国家に特別な愛着やあこがれがあるわけではない。逆説的だが、「シンガポールにずっといてはいけない」という思いもある。

日本で人に会うたびに「田村さんはなぜシンガポールにいるの?」と聞かれる。「税金対策?」「シンガポールが好きだから?」「日本じゃダメ?」などと質問されるが、全部違う。「21世紀の子育てを求めて」というのが直接的な理由だが、そもそも私には「シンガポールにいる」という感覚があまりない。

海外にいると、日本に対する愛着は自然と強くなっていき、自分の活動フィールドにおいては、国籍は関係なく、国民国家という概念がなくなりつつある。あえて表現させてもらえば、「グローバルなクラウドの中に自分がいる」というのが一番近い感覚だ。

シンガポールを拠点に日本、アメリカ、欧州、他のアジア諸国など、色んな場所に移動することが多いのだが、同僚たちも同じように、世界中をぐるぐる回っている。ビジネスパートナーの中には、シンガポールで隣の家に住んでいるのに、会うのは東京だったり、LAだったりすることもある。

シンガポールに移住して国籍や永住権を狙うといった感覚は私にはない。もちろん、シンガポールに愛着を持って移住したり、永住権や国籍の獲得を目指すのもアリだとは思う。私は、シンガポール政府から日本やシンガポールの政策についてヒアリングやスピーチを依頼されることもあり、もちろん協力を惜しまないが、だからといって「シンガポール国家のために働きたい」と思っているわけでない。