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まずは日本が置き去りにされている現実を認識すること!
起業で世界を目指す若者へのアドバイス

〔PHOTO〕gettyimages

ITよりもテックハードウェア系が狙い目

日本にいる人には、意外で、厳しく聞こえるかもしれないが、世界では当たり前のことを今回も書かせていただく。

シンガポールにも「起業で世界を目指したいです」という日本の若者がたくさん来る。以前にも書いたが、今の日本人が世界的スケールの起業で成功するのは不可能に近いと思う。

それくらい世界の現実は厳しく、日本の中で日本の起業を持ち上げるメディアはズレているのだ。ただし、厳しいながらも可能性は完全にゼロではないので、以下、起業で世界に勝負を挑む若者たちに向けて私見を述べてみたい。

IT分野での世界勝負は日本人にはかなり難しい。日本のIT企業創業者のほとんどが十分に英語を話せず、英語のサービスをまともに提供できる体制にはなっていない。全世界から人材を集めて勝負できる体制にも程遠い。

それでいてサービス内容は、アメリカのIT企業のものを日本語に翻訳しただけというようなケースが多く、オリジナリティがない。日本でそこそこ成功しているIT企業でさえも、ゲームやECなど国内だけで通用するサービスがほとんどだ。

この分野は一般消費者向けサービスなので言語の壁が非常に大きい。そこが日本人にはハンディキャップとなる。

日本人が本気で世界を目指すなら、やはりロボット関連やバイオといった分野におけるテックハードウェア系が狙い目だろう。なぜなら、優れたアカデミックシーズ(学術研究レベルのネタ)が豊富にあり、一般消費者向けではない専門技能の世界なので、言語の壁があまりないからだ。

とはいえ、ネット系スタートアップと違い、それなりの初期投資と成功までに時間を要するテックハードウェア系には、エンジェルマネーのような辛抱強い資金が必要である。そういう投資家を納得させるためにも、日本人なら東大、京大、東工大といった名門校の理系の学位を持っていることが最低条件。できれば世界の名門工科大である、カルテックやMITあたりに留学した経験があってほしい。