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「古きよきアメ車」が現役で走っている国・キューバ 
〜そのカーライフ事情を追う

日本ではさほどなじみのない国で、強いて言えば野球やバレーボールなどスポーツが強いことなどで知られる中南米のキューバ。が、昨年末に米国のオバマ大統領が'61年1月以来断絶しているキューバとの国交正常化に向けて交渉を開始することを表明。これを受けて、俄然注目を受けているのがこの国の自動車関連の内情。ってことでかの国、キューバの実態に迫った!

その(1) そこは神秘に包まれていた! 知られざるキューバという国

まずはキューバがいったいどういう国なのか、基本的なことから押さえていきたい。

キューバは'59年にそれまでの共和政(バティスタ政権)からフィデル・カストロ、チェ・ゲバラら反政府組織勢力によるキューバ革命が起きて社会主義国家へ転換。その後、'61年に米国との国交が断絶され、その翌年に当時冷戦状態にあった米ソによる核戦争への緊張が極限まで高まった「キューバ危機」が勃発したのはよく知られるところ。

主要産業は観光業のほか、砂糖やタバコといった農林水産業、鉱業などで、国民ひとりあたりのGNP(国民総生産)は、5890ドルとおおよそ米国の10分の1。

現在の国民の生活水準は'91年のソ連崩壊以前よりも下回っているとのことだが、社会主義国家であるため、国民全体が国家公務員となる。食料については配給制度となるが、これは無料ではなく、国家による超低価格での提供となるそうだ。また、国家で力を入れている医療と教育については貧富の差はあっても基本無料となる。

日本との間には'29年12月に国交を樹立。長くキューバの最高指導者を務めていたフィデル・カストロ(現在の最高指導者は実弟のラウル・カストロ)が親日家であり、日本との間に政治的・地理的な利害関係を持たないことから音楽やスポーツを通じた民間交流なども盛んに行われている。

'96年に起きた在ペルー日本大使公邸占拠事件の際には、日本政府からの要請でキューバが首謀者のMRTA(トゥパク・アマル革命運動)ゲリラの亡命を受け入れていた。

こうした背景もあって日本とキューバとの関係は比較的良好だ。実際、日本人が観光目的でキューバへ入国する際にはキューバ側はビザの免除を認めている(ただし、渡航前に大使館や当日に空港でツーリストカードを買っておく必要あり)。

最後に交通関係。キューバでは鉄道が砂糖を輸送するための重要な交通手段となっており、そのほかキューバ国土を東西に貫通する高速道路が建設されている。さらに首都ハバナからはメキシコやスペイン、ロシアへの定期国際便が運航されている。

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