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【第4回】「こうでなきゃ」という条件が多いほど、愛情から遠ざかる! "たまたま"を大切に、失敗を恐れるな
川崎貴子さんと二村ヒトシさん
あるモノの大きさだけで自分の存在を肯定できてしまう男性と、たとえ美人でも総合的に評価されないと自分を肯定できない女性。AV監督の二村ヒトシさんが、男女の自意識の違いを鮮やかに浮き上がらせます。そんな男女が、幸せになるにはどうすればよいのでしょうか。経営者の川崎貴子さんの言う、「条件が多いほど、愛情から遠ざかる」という言葉の意味は。聞き手は、アラサーの編集Sです。(構成:崎谷実穂/写真:瀬野芙美香)

モノに興味がある男の子、関係に興味がある女の子

二村ヒトシ(以下、二村) 現代ビジネスみたいなまじめな媒体に登場するAV監督は、読者に向けて「もっとハメをはずしてもいいんじゃないですか」って言うことを期待されます。

川崎貴子(以下、川崎) 私はよくこういう媒体で、「女社長という立場から男性を怒る」という役割を期待されますよ。

―― そういう社会的なイメージってあるんですね。

川崎 すごくありますよ。女性誌では、パーフェクトなママであり、キャリアウーマンであることを求められます。できあがった紙面を見たら、自分が3時間しか寝ずに家事も仕事もがんばっていることになっていたりして(笑)。そういう像を求められているんだなと思いました。

―― 本当は、自己肯定感だってなんだって中庸がいいけれど、メディアはどうしても極端な二項対立にしたがりますよね。

二村 働き方も「社畜」か「起業」か、みたいなね。どっちでもなくて、普通に働いている人はいっぱいいるけど、いっぱいいるからこそ記事にはならない。でも、これまでちょっとまじめな話が多かったので、ここらでAV監督らしく下品で極端な話をさせてください。

川崎 お願いします(笑)。

二村 巨乳とかロリっぽさにフェチを感じる男性の感性って、ある意味「女性をモノ扱いしてる」って叱られますよね。一方、女性にもフェチズムってあると思うんですが"相手のほうを向く可能性がある"ことに興奮する傾向がありませんか? "メガネ"には視線が関係してるし、あとは男性の"声"とか"指"だったり。男は「モノを集めて所有する」ことに発情し、女は「関係性」に発情するというのも、よく言われる。

川崎 あー、小さい子の興味関心もそうですよね。男の子って、無心で車を動かして遊ぶじゃないですか。つまり、物体に興味がある。一方、女の子は人形遊びやおままごとなど、人と交流する遊びをしたがりますよね。私はじつは、人形遊びもおままごとも嫌いな女の子だったんです。

二村 へえ! 小さい頃から「心にチンコがある女の子」だったんですね(笑)。

川崎 ええ、残念ながら(笑)。でも、自分の娘たちはふたりとも、何も教えないのにお人形で遊びはじめたんです。不思議だなと思って。

二村 うーん、でも、その「男女差」って生まれつきではなくて、やはり社会化されたもの、つまり無意識の親とかテレビとかの影響じゃないんでしょうか。

川崎 でもうちは、「女の子らしくしなさい」なんて1回も言ったことないんです。つい最近まで夫がメインで子育てしていましたし、ママは家事もやらないし(笑)。完全にジェンダーフリー環境だったと思います。それでもやっぱり、女子特有の振る舞いが見られるから、これってやっぱり生まれつきなのかなと思うようになりました。