『「説得力」を強くする』
必ず相手を納得させる14の作戦
藤沢晃治=著

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説得力があれば人は動いてくれる!
人間は論理だけでは説得されない。
一瞬で相手が納得する「アナロジー思考」とは?
累計65万部! 大好評ベストセラーシリーズの集大成。

 説得力は、現代人最大の武器。相手の論理的思考だけではなく、直観を操るアナロジー思考にも働きかけ、スピーディーに説得する技法を伝授。説明力、交渉力、表現力といったシリーズのエッセンスを集大成し、説得力に磨きをかける実践決定版。


はじめに

 私たちは無人島で生活しているわけではありません。否が応でも社会の中で人と係わり合いながら生きています。誰もが感じている通り、人生を快適に過ごせるかどうかは、この「人と人との係わり合い」の技術が決め手です。そして、人と人との係わり合いを制する力こそ、本書が追求する「説得力」ではないでしょうか。

 社会の中で生きるとは、大勢の人に囲まれながら自分の道を進むことを意味します。自分の周囲にいる人々は、自分が進む方向を邪魔する敵にもなれば、背中を押してくれる味方にもなります。説得力とは、自分の味方を増やしてくれる一番強力な武器と言えるでしょう。原始人の武器は、太い棍棒だったかもしれませんが、私たち現代人の武器は説得力です。原始人の棍棒は敵を攻撃する武器ですが、説得力は味方を増やすだけの平和的な武器です。

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 先日、起床した際、激しい喉の痛みに気づきました。恐らく就寝中に風邪を引いたのでしょう。出張に出かける日だったので、翌日まで仕事のため、病院へ行く余裕がありません。取り急ぎ、市販薬でしのぐしかなく、急いで喉の薬をネット検索してみました。

 候補として三種類ほどの市販薬に絞られました。そのうち二つの薬のネット広告では、商品説明がびっしりと詳細に記載されていました。しかし、三つめの薬は、説明がとても簡潔でした。とくに冒頭で「とにかく喉の痛みを早く取りたいなら、これです!」と大きな文字で表示されていたのです。このメッセージが妙に印象に残り、説得力がありました。結局、私が駅前の薬局で買ったのは、広告が一番シンプルで説得力があったその薬でした。

 この状況は見方を変えれば、製薬会社どうしが私に自社製品を買ってもらおうと、広告の競争をしていたわけです。その競争を決定づけたのは、やはり「説得力」でした。ささいな日常生活の一コマにすぎませんが、説得力の勝負が私たちの社会の隅々にまで浸透しているほんの一例です。

 そうです、説得力が求められるのは、通常イメージされるような会議での発言、商談、プレゼンテーション、企画書等に限りません。そんな狭いビジネス・シーンだけに限らず、ごくごく身近なプライベートでも、説得力が物を言うのが私たちの世界なのです。

 憧れの男性(または女性)を初デートに誘う。家族内で意見が割れた夏休みの旅行先に関して自分の主張を通す。通販サイトで間違えて購入した商品を返品して返金させる。これらのどのケースでも、成功するか失敗するかは、あなたの説得力しだいです。

 失恋や仕事のミスなども含め、過去に体験したあなたのさまざまな失敗を思い浮かべてみてください。ほとんどの失敗の原因は、あなたの説得力不足だったのではないでしょうか。

 説得力とは、このように日々必要とされる生活力とも言えるでしょう。本書では、そんな説得力を追求する上で、人間の「二つの思考法」に基づいて考えます。

 一つ目の思考法は、説得力という言葉から誰もがイメージする「論理的思考」です。説得力を追求する上で論理的説明を重視するなど、月並みで斬新さに欠けますが、やはり無視することはできません。しかし、説得力を強化する手法として、この論理的説明だけに偏らないのが本書の特徴です。

 本書が着目する二つ目の人間の思考法は「直観」です。説得力をテーマとする従来の書籍があまり取り上げてこなかった視点です。従来、「論理的説明」以外の視点では、せいぜい「感情・心理」という側面から論じることがほとんどだったからです。

 説得力とは、説明力や交渉力など、さまざまな部分技術の総合力とも言えるでしょう。それら部分技術の一部は、私の過去の著作でもテーマとして取り扱いました。

 しかし、私は本書を執筆するにあたり、説得力を強化するためのすべての手法を本書一冊の中に凝縮することとしました。したがって、説得力を習得する上で、私の既刊書を読んだりする必要はまったくありません。コンパクトな本書一冊をお読みいただくだけで、説得力を強化するためのすべての手法が完全にマスターできるようにしました。

 ぜひ本書が勧める戦略をすぐにでも実践し、人生の進みたい方向にどんどん快適に邁進してください。

著者 藤沢晃治(ふじさわ・こうじ) 
慶應義塾大学で管理工学を専攻。卒業後、大手メーカーでエンジニアとして勤務。元々は気が小さい性格だったが、たまたま担当した仕事でプレゼン術に目覚め、やがて、一部の社員から「プレゼンの神様」と呼ばれる。『「分かりやすい説明」の技術』など、ブルーバックスのシリーズが合計六五万部を超えるベストセラーとなる。日本テレビ系の教育バラエティ番組『世界一受けたい授業』にも講師として出演。現在は独立し、講演、企業向け研修などを中心に活動。独学で英語を習得し、英検一級、TOEIC九〇〇点、通訳ガイド(国家資格)、工業英検一級などの資格も持つ。著書として他にも『日本人が「英語をモノにする」一番確実な勉強法』(三笠書房)など多数。
『「説得力」を強くする 』
必ず相手を納得させる14の作戦

藤沢晃治=著

発行年月日: 2015/06/20
ページ数: 208
シリーズ通巻番号: B1919

定価:本体  860円(税別)
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)