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19歳の天才ストッパー 楽天・松井裕樹の「青春と才能」
必見!美しすぎる「空振り三振」

小さな巨人の快投が、止まらない。高卒2年目で楽天の守護神を担う松井裕樹はいまだに防御率0点台。「荷が重すぎる」という声を振り払うようにチームを背負う若武者が、その覚悟を明かす。

19歳にしてチームの守護神となった松井裕樹投手

「平常心」の秘密

「抑えといえば、チームの勝ち試合を締める役割。プレッシャーがないと言えばウソになります。でもそれは、いいポジションで投げさせてもらっているということ。開幕当初は余裕がなくて、これからマウンドに行くという直前、『はあ……』とひとりで深く息をつくこともありました。でも最近、ようやく野手の方に(自分から)声をかけられるくらい、周りが見えるようになりました」

楽天の若き守護神としてプロ野球界を熱くする松井裕樹(19歳)は、本誌記者の目を真っ直ぐに見つめてそう語る。インタビュー用のソファーにもたれかかることをせず、背筋をピンと伸ばす。ニュアンスが間違って伝わらないよう、言葉を丁寧に選ぶ姿に、彼の誠実さが表れている。

「特に最近、本拠地のKoboスタジアム宮城では、マウンドに向かう直前、僕の名前がアナウンスされる前から歓声をいただけて、本当にありがたいです。歓声の質が変わったのも感じます」

若者へのエールから、信頼できるクローザーへの喝采へ—。ファンの歓声が変わったのは、松井が結果を残し続けているからだ。22試合を投げて無敗の12セーブ。自責点はわずか2で、防御率0・64。奪三振数37は投球回数28を大きく上回る(数字は4日現在、以下同)。

圧巻は5月31日の巨人戦だ。3-3の9回から登板し、プロ18年目の高橋由伸を、外角ストレートで空振り三振に仕留めた。スライダーやチェンジアップがキレるので、打者は的が絞れない。あの巧打者・高橋に、腰が引けたような中途半端なスイングをさせた。次の10回も無失点に抑え、中川大志のサヨナラ本塁打を呼び込んだ。

「小さい頃、由伸さんのファンでした。背番号24のユニフォームを着て、東京ドームで見ていましたよ」とはにかんだときだけ、松井は19歳の青年に戻った。

現在のプロ野球界をリードする大谷翔平や藤浪晋太郎が甲子園の話題の中心だった'12年夏。その主役を奪ったのが、2人より1学年下の松井だった。1回戦の今治西戦で大会史上最多の10連続奪三振と1試合22奪三振を記録。翌'13年秋にドラフト1位で楽天に入団した時も、先発としてどれだけ成長できるかが、注目されていた。

「将来は先発として200勝できる投手」と松井を評価する一方、あえて今季、抑え投手に抜擢した大久保博元監督が、その真意を明かす。

「マツ(松井)は、空振りをとる力がウチで一番高い。先頭打者を出しても次打者で三振をとれる。