「美味しい糖質制限パンとフレンチ」を広める帝京大と浅田飴と有名シェフの挑戦!
桐山秀樹 (ノンフィクション作家)

糖質制限しても美味しいフレンチが食べられる!

糖尿病を経験した有名シェフが研究する「糖質制限フレンチ」

毎日の食事から摂る白米、パン、麺類など糖質の多い「主食」を制限する糖質制限。

以前から糖尿病患者のための食事療法として実践されていたものだが、この数年、その目覚ましい血糖値低減効果と短期間の減量実績が注目され、関連書籍を次々と刊行される程の大ブームとなった。

市販のビール系発泡飲料や日本酒でも糖質ゼロを謳う商品が次々登場し、コンビニのローソンでも、小麦の表皮、ふすま粉を使って糖質量を制限した「ブランパン」シリーズが大ヒットしている。

しかし、ブームの一方で、糖質制限が長続きしないという声もよく聞く。その理由は、単に糖質を制限するだけで、本当に美味しい糖質制限料理がなかなか作れないからだ。

この状況を打破しようと5年前立ち上がった一人のシェフがいる。

銀座のフレンチの名店「銀座ラ・トゥール」の総料理長・清水忠明さんだ。「ホテルニューオータニ」のレストラン「トゥール・ダルジャン」シェフとして活躍し、フランスの本店勤務もある清水氏は、5年前に糖尿病を発病。「一時は、HbA1Cが9.6もある状態で、従来まで指導されてきたカロリー制限療法を続けたのですが、一向に数値が下がらず、食事量も少ないので続けられない。そこで、出会ったのが、糖質制限食だったのです」

銀座のレストランの顧客だった糖尿病医と連携し、清水シェフは5年前から同店で「美味しい糖質制限メニュー」を独自に開発。十数種類のメニューを開発した。

「当初は、こんな病院食メニューみたいなものが食べられるかと、評判は散々でしたがやがて糖質制限がブームになるにつれて、若い医師を中心に、固定客がつくようになった。それで意を強くして、レストラン・メニューに限らず、糖質制限のパン、ジャム、介護食など、フレンチベースの新商品開発へと乗り出したわけです」

清水忠明(しみず・ただあき)シェフ。1956年東京生まれ。フランス・三ツ星レストラン「トゥールダルジャン」副料理長を経て、東京・神楽坂「ラトゥーエル」、千駄ヶ谷「ブルトン」、銀座 「ラ・トゥール」を開店。現在、低糖質メニューの開発とともに、大学の研究員として各地で低糖質の普及に取り組み、「家庭で出来る低糖質フレンチ」講習会 を開催するなど、精力的に活動中