シンガポール
高給取りで出戻りOKのシンガポール官僚が絶句する、 霞が関のナイーブな「官僚制度」

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絶頂期に未来を案ずるシンガポールの官僚たち

シンガポール通産省の「未来検討グループ」から、「2025年のシンガポールのために準備すべきこと」と題したヒアリングを受けた。彼らはシンガポールにおける「Top Thinker」として私に目星をつけ(私はそうは思っていないが)、アプローチしてきたのだ。

繁栄を極める今、将来の危機を想定して外国人の叡智を真摯に集めようとするシンガポール政府の姿勢は敬服に値する。その一方で感じたのは、日本の官僚制度が「官僚を劣化させている」ということだった。

シンガポール政府からのヒアリング項目は以下のようなものだ。

・シンガポールで定着している価値観や信条、経済理論等で捨てるべきものは何か?
・人類が考案してきた過去のアイデアのうち、現代によみがえらせるべきものは何か?
・シンガポールの未来のために犠牲にするべきものは何か?
・シンガポールの価値観や道徳観はどう変わるべきか? それに変化を与えるトレンドは何か?
・まだ見ぬ未来のシンガポールをあなたならどう統治するか?

この中の3つを選んで議論したいという申し出だったが、話が盛り上がり、結局全ての項目について議論することとなった。

申し訳ないが、シンガポールの官僚と話していると、霞が関の官僚のスケールの小ささが浮き彫りになってしまい、いたたまれない思いであった。

日本の官僚の質が低いということではなく、制度が悪いのだと思う。地頭ではシンガポールの官僚に勝るとも劣らない日本の官僚を、旧態依然とした「官僚制度」が劣化させているのだ。この問題の背景には日本国民のナイーブさがあると思う。仮にシンガポールの官僚制度を日本政府が真似しようとしたら、メディアが寄ってたかって批判するだろう。