スティーブ・モリヤマ 第2回
「自分にとってなにがベストなのか・・・"ストリート・スマート"な人間は常にそれを考えて行動します」

撮影:立木義浩

第1回はこちらをご覧ください。

シマジ ベルギーというヨーロッパのど真ん中に住んでいて、年に数回、日本に帰ってくるスティーブの目から見て、10代、20代の日本の若者たちはどのように映っているんでしょう。ヨーロッパの若者たちと比較すると、やはり幼稚に感じられますか?

モリヤマ "幼稚"と感じたことはありません。ただ、どうしてなんでしょうね、若い人に限りませんが、日本では"出羽守(でわのかみ)"の意見を鵜呑みにしてしまう人が多い気がするんです。

シマジ "出羽守"って、どういう意味?

モリヤマ よくこういう言い方を耳にすることはありませんか。「イギリスでは・・・だ」「アメリカでは・・・だ」という風に、「過度の一般化」、つまり一種の詭弁術をつかって、基本的に「海外がよくて日本はダメだ」という人たちのことです。本当のところ、日本という国は、世界的にみても先端を走っている国です。ですから、必要以上に卑屈になる必要はないと思うのです。

ヒノ 敗戦国だからでしょうか、昔から自虐的な論調が多いですよね。

シマジ つまり多少の海外経験があって、なにかというとすぐにかぶれたことを言い出すヤツのことを出羽守というんだね。

モリヤマ そうです。わたしはいま、講談社の雑誌『クーリエ・ジャポン』で連載させていただいているのですが、「いやいや、そうじゃないだろう」という問題意識を、たまたま担当編集者もわたし自身も持っていて、意気投合しました。「出羽守の言うことがまことしやかに通っている日本。この国の"神話"をザックリ斬ってください」と口説かれたんです。グッときましたね。

で、ご質問の話に戻りますと、"ジェネレーションY"とか"ジェネレーションZ"といわれる、いまの10代、20代の若者たちは、企業にとっては人材であり、かつ消費者でもあるわけですから、どうやって彼らとつき合えばいいのか、何が彼らの心を掴むのかと、欧米の企業幹部も頭を抱えて、必死に学ぼうとしています。

そもそも「先進国の若者」という見方をすれば、世界共通ですよね。物心ついたときからコンピューターがあって、最初からツイッターやフェイスブックなどのSNSと共に育って、電話よりもスマホをいじっているカルチャー。学校ではノートも取らず、黒板は写真に撮る。善し悪しは別にして、我々黒電話世代の「デジタル・エイリアン」とは異質な「デジタル・ネイティブ」なわけです。

ですから、それを単に"幼稚"という言葉で一緒くたにくくってしまうのは、違うんじゃないかと思います。