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【第3回】顔が好みで都合のいい女は空から降ってこない!
結婚したければ、自分の欲望を知り、行動を起こせ

川崎貴子さんと二村ヒトシさん
男と女では、自己肯定感の持ち方が違う。経営者の川崎貴子さんは、母子関係からその理由を解説します。また、「結婚によって男の人生は変わる」という説も。結婚相手の家庭観や仕事観で、男性の人生は初めて左右されるのだそうです。一方、結婚できない男は「空から理想の女の子が降ってくるのを待っている」? AV監督の二村ヒトシさんは、若い男性が「本当の欲望」を見つけられなくなった理由を、AV界のトレンドから解説します。聞き手は、アラサーの編集Sです。(構成:崎谷実穂/写真:瀬野芙美香)

男の人生は、結婚に大きく左右される?

川崎貴子(以下、川崎) 男性と女性は、自己肯定感の持ち方が違うと思うんですよね。男性の自己肯定って、ひとつは二村さんが言っているようにテクニックで女性にモテたりして得る「インチキ自己肯定」。そして意外と多いのは、本当にこじらせずに育ったからこその「天然自己肯定」。それは、やはり子どもの生育に大きな影響を与える"母親"という存在が、異性だからだと思うんです。

二村ヒトシ(以下、二村) それは大きいですよね。

川崎 異性というワンクッションがあると、自己肯定感という分野においてはあまり傷つけられないで育つ。母親から同一視もされないし、ちょっとしたことで褒めてもらえたりしますからね。

二村 母親のほうも「男の子だから、私にはわからない」と適度な距離を保てるのかな。

川崎 でも、じゃあそういう男性が自分のことをちゃんと好きなのか、自分の欲望に向き合っているかというと、そうではない気がするんですよね。

―― 好きかどうか以前に、そこまで考えたことがなさそうな……。

川崎 そういうふうにも見えます。でも、少し前に「自分探し」をしていた男の子がたくさんいたじゃない? あれって自分に向き合う作業だと思うんだけど。

―― ああ、自転車で日本縦断するとか。

川崎 バックパッカーの旅に出るとかね。ああいう子って、何を探してたのかな。

二村 ぎりぎりで一人で生きていくという体験をしたかったのかもしれないし、日本の学歴社会から与えられた仕事でも恋愛でもない「生きがい」を探したかったのかもしれない。僕は6年前に半年間、仕事サボって家族と一緒にデンマークで外国人学校にいってたんですけど、世界各国から来てる生徒の5分の1くらいが日本人の元OLさんでした。一度働き始めてから短期留学をする女性が増えてるんだな、という印象を持ちました。日本人の若い男の子は北欧の大学に入る準備をしてた奴が一人だけ。

男性と女性の自己肯定感の持ち方が違うというのはその通りで、女性にしかない自己肯定の仕方もあると思うんです。それは、出産。子どもを産むことで問答無用で自己肯定できてしまう場合もありますよね。川崎さんはそうだったと、おっしゃっていませんでしたっけ。

川崎 そうですね、それまで変に甘えん坊の男を好きになったり、自意識過剰になったりしていたのが、子どもを産んだ瞬間、「私に必要だったのはこれだった!」とスーっと収まりました。こんな圧倒的にかわいい存在があるのなら、私が頑張り続ける意義もあるし、迷走してる場合じゃないぞ、と。

二村 僕は基本的に、ジェンダーというのは社会化されたもので、生まれたときから決まっているものではないという考えです。でも今のところ出産できるのは女性だけだから、その自己肯定感だけは男性には持てないんだろうなと思う。いや、子育てにものすごくコミットした男性なら、持てるのかな……。

川崎 母親は子供によって、ある種暴力的に、問答無用に「母親」になりますからね。あと、自分について深く考えない男性が多いのは、男性の人生の多様性のなさにも起因していると思うんですよね。

―― 多様性のなさ。