【舛添都知事日記】無責任・不透明な密室談合体質では解決しない! 年表で整理する新国立競技場問題
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都知事としての最大の仕事は、都民の生命と財産を守ること

新国立競技場建設については、5月18日の下村文科大臣と私の会談以来、やっと国民の前に問題点がさらけ出されることになった(これまでの経緯については、本コラムの第一弾第二弾第三弾を参照してほしい)。時間は限られているが、今、衆知を集めて賢明な解決策を考え出せば、まだ何とか間に合うと思う。当事者――具体的には文科省、JSC(日本スポーツ振興センター)――の信じがたいほどの無責任体質には、全国民が怒り、呆れかえっている。いずれは、きちんと責任をとってもらわなければならない。

最大の問題は、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会のメインスタジアムとなる新国立競技場の建設が間に合わない、建設費がかかりすぎるということである。間に合わないので、下村大臣は当初の計画を大きく変える(「屋根無し」「仮設席を設ける」など)というが、約束違反ではないのか。

また、建設費を値切れば、業者は安い資材を使い、みすぼらしいものを作ることになるのではないか。メインスタジアムが完成しないから2020年大会は返上するというような悪夢を誰よりも心配しているのが、主催都市の代表である私だからこそ、「万機公論に決すべし」と声をあげたのである。

すべてが国民の目の届かない所で、不透明、不公正に決められ、しかもその決定ですら誰が責任者であるか分からない形で適当に変えられていく。そして、誰も責任を取らないまま、国民負担を増やしていく。そのようなことが、民主主義社会で許されてよいのか。一納税者としては、自分の払った税金がそのような形で浪費されることは、容認できない。

だからこそ、先の下村大臣との会談で、工期は間に合うのか、屋根は付けられるのか、建設費が倍増するのではないかと、疑問を投げかけたのである。それに対する大臣の回答は周知のとおりである。この会談を私がセットせずに、さらには、問題の核心に直球で迫らなければ、国民には知らせないまま、密室で物事を決めることが続いていただろう。しかも、情報公開もせずに、東京都に500億円の拠出を要請してきたから、私は、経費総額と工期を明記することを求めたのである。

大会の成功のためには、都民も財政面を含めて協力は惜しまないと確信しているが、都民に説明のできないカネ、法的に支出が禁じられているカネは、一円たりとも支払うことはできないし、都知事としての最大の仕事は、都民の生命と財産を守ることである。その主張のどこが間違っているのか。無責任な文科省の代表と「子どもの喧嘩」をやっているのではない。情報公開を求めているのであり、これは正当な要求である。