【有料会員限定記事】姿を消した150万人の黒人アメリカ男性たち~黒人女性100人に対し黒人男性はわずか83人しかいない

〔PHOTO〕gettyimages

消えた黒人男性の衝撃的な数字

ニューヨークでは、約12万人の25歳から54歳までの黒人男性が日常生活から姿を消している。その数は、シカゴでは4万5000人、フィラデルフィアでは3万人以上だ。南部一帯では、サウスカロライナ州のノース・チャールストンからジョージア州、アラバマ州、ミシシッピー州、そしてモンタナ州ファーガソンに至るまでの地域で、さらに数十万人以上が消えている。

これらの人々が日常から姿を消しているおもな理由は、若くして死亡したか、もしくは刑務所にいるからだ。われわれの分析では、驚くべきことに、25歳から54歳で刑務所にいない黒人女性の数は、同じ条件の男性より150万人も多くなっている。この年齢層では、刑務所にいない黒人女性100人に対し黒人男性はわずか83人しかいないことになる。白人については、この数字は99人で男女ほぼ同じだ。

これまでも長い間、アフリカ系アメリカ人男性は刑務所に入っていたり若くして死んだりする確率が高かったものの、この集計数字は衝撃的だ。これは、黒人男性を苦しめ続けてきた根深い不均衡を示している。最近相次いで起きている、警官による殺害事件の後で議論を呼んでいる差別問題だ。そして男女数の差自体が、さらに大きな社会問題を生む。多くのコミュニティで、父親、夫となるべき男性の数が不足するからだ。

この状況をもっとも率直な言葉で表現すると、おそらくこうなる。今日、25歳から54歳の黒人男性の6人に1人以上が日常生活から消え失せてしまった。

テキサス大学の社会学教授ベッキー・ぺティットは「この数字には呆然とさせられます」と話す。

黒人居住者が少なくとも1万人以上の都市で、消えてしまった黒人男性の割合がもっとも高い所はどこだろう?昨年、警官による射殺事件で国中に抗議を巻き起こしたモンタナ州のファーガソンだ。ここでは、司法省の調査により、黒人の住人に対する広範な差別が見られることが明らかにされている。経済学者のステファン・ブロナースによると、ファーガソンではこの年齢層の黒人女性100人に対し、男性は60人しかいない。

今月、警官による発砲事件があったノース・チャールストンでの男女差も、この周辺地域同様、全国平均をはるかに上回っている。全米で見ると、一般に姿を消した男性の割合がもっとも高いのは南部だ。しかし中西部一帯、そして多くの北東部の大都市でも同様の地域がたくさんある。一方、男女差がもっとも少ないのは西部だ。

この男女差の最大の要因は、刑務所への収監と若年死だ。人口学者が最盛年齢と呼ぶ25歳から54歳の黒人男性で姿を消している150万人のうち、約60万人が高い収監率によるものだ。黒人以外の男性では、この年齢層で刑務所に入っているのは60人に1人であるのに対し、黒人男性では12人に1人となっている。因みに、黒人女性では200人に1人、黒人以外の女性では500人に1人の割合だ。

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