ブラッター会長が辞意表明――底なしの腐敗が露呈するFIFA事件は日本に波及するのか


スキャンダルに揺れるFIFA photo Getty Images

FIFA(国際サッカー連盟)総会で5選されたばかりのゼップ・ブラッター会長が、2日、緊急記者会見を開いて辞意を表明した。

「私にはFIFAをあるべき姿に戻す義務がある!」と、強気の姿勢を崩さなかったブラッター氏が豹変した背景には、米司法当局の捜査に各国捜査機関が連動、足元が揺さぶられているブラッター氏の“怯え”がある。

1日には、2010年南アフリカワールド杯の開催地をめぐる投票の際、南ア政府から賄賂を受け取り起訴されたジャック・ワーナー元会長に送金手続きを行ったのが、ブラッター氏の側近のジェローム・バルク事務局長であることが判明した。

185億円は氷山の一角

捜査を指揮するロレッタ・リンチ米司法長官は、今年4月の就任までニューヨーク連邦地検検事を務め、その間、FIFA汚職事件の内偵捜査にも関わった。5月27日、185億円の汚職容疑で14人を起訴した後の記者会見では、「汚職は必ず一掃する。捜査は、まだ始まったばかりだ」と、述べた。

その強い意思に連動するように、アルゼンチン、トルニダード・トバコ、コスタリカ、パラグアイが捜査協力、スイス、ブラジル、英国、オーストラリアなどの司法当局も捜査着手。1日には、パラグアイの裁判所が、起訴されたFIFAのニコラス・レオス元理事を自宅に軟禁することを決めるなど、捜査は世界的規模で広がっている。さすがのブラッター氏も「強気で居直る作戦は通用しない」と、判断したのだろう。

W杯は、ケタ違いの収益をもたらす。14年ブラジルW杯では、放映権と商標権だけで40億ドル(約5000億円)の収入となった。その開催権を含めて決定権を握るのは、ブラッター会長以下、8名の副会長、16名の理事など、わずか25名のFIFA幹部である。そのケタ違いのカネが、185億円の賄賂をもたらし、もちろん氷山の一角だ。

では、カネまみれFIFAに日本は関与していないのか。あるいは日本の捜査当局に米国が司法共助を求めることはないのか。

捜査の可能性はともかく、日本が「FIFAの利権構図」にどっぷりとハマっていたのは事実で、事件を受けて取材に応じた日本サッカー協会名誉会長の小倉純二氏がいうような「日本が捜査の場に呼び出されることはない」といった甘い状況ではない。

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