テレビ界は国内旅行番組と散歩番組が花盛り! テレ東が開発したゆるくて呑気な自然体路線は時代の要請とも言える
テレビ東京『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』HPより

ある土曜日のフジテレビ

フジテレビの5月30日(土)の朝から午後にかけての編成は、国内旅行番組と散歩番組のファンにとっては堪えられなかったことだろう。国内旅行番組と散歩番組が立て続けに放送された。

まず、『にじいろジーン』(午前8時30分、制作は系列の関西テレビ)では、「ニッポンふるさと大使」のコーナーで、ガレッジセールの二人が青森県大鰐町を散歩。特産の温泉もやしや地元のマルシチ味噌を紹介した。派手さはなかったが、おいしそうだった。

続く午前9時55分からの『ぶらぶらサタデー タカトシ温水の路線バスの旅』では、水郷の町・千葉県佐原市周辺を散歩。この番組における普段の移動手段はバスだけだが、この日は水郷の町なので船にも乗った。風情があって良かった。2006年に市制化されたばかりである隣の香取市を紹介したのも興味深かった。

この番組は4月から月1回の放送に。時間帯も正午から午前帯に変更。タカアンドトシと温水洋一のゆるい進行ぶりが魅力的で、ほのぼのとしている。週末で脱力している視聴者には格好の番組だと思っている。

意味なく途中でゲストが交代するところも面白い。テレビの常識から外れた話なのだが、冒頭から登場していたゲストが、せっかく番組が盛り上がったところで、「それじゃあ、私はここで」と去ってしまう。「このゲストは、どうやって帰るんだ?」と突っ込みを入れたくなるが、代わりに次のゲストが現れる。この日も千原せいじから高橋ひとみに交代した。

この番組は8年前から不定期放送されているテレビ東京の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の影響を強く受けているのだろうが、それでも筆者は好きだ。過去には千葉県茂原市や茨城県つくば市、新潟県魚沼市なども訪れている。いずれも千客万来の大人気観光地ではなく、そうそう行かない場所。良いところなのは分かっているが、行く機会がなかなかないところ。そんな場所への疑似観光体験が出来るから、この番組には惹かれる。

正午からは『有吉くんの正直さんぽ』が放送された。この番組のフィールドは東京がメーン。この日も有吉弘行が池袋を歩き、激辛カレーうどんの店などランチに向いた場所を紹介。筆者は池袋には30年以上前から訪れているが、知らない店ばかりだった。歩く人が違うと、視点も違ってくるということなのだろう。もちろん、事前のリサーチは周到に行われているはずだ。

3月までは同じ放送枠で『タカトシ温水の路線バスの旅』と『有吉くん』が交互に放送されていたが、4月からは『有吉くん』と『正直女子さんぽ』の交互放送に変更された。『女子さんぽ』のメンバーは関根麻里、柳原可奈子、松岡茉優のにぎやかな三人とずん飯尾だ。こちらは紹介される場所も店も女性目線。5月16日放送では横浜を訪れ、レース店や「フクゾー洋品店」などが取り上げられた。