スティーブ・モリヤマ 第1回
「就活のときは『列車に乗りたいのか、それともクルマを運転したいのか』と自問自答を繰り返しました」

撮影:立木義浩

<店主前曰>

今月のゲスト、スティーブ・モリヤマさんは日本の大学を卒業後イギリスで就職し、その後四半世紀にわたりヨーロッパで活躍している、まさにグローバルなビジネス・パーソンである。

現在、彼はベルギーに拠点を置いているのだが、これまでに約80ヵ国を延べ300回以上も訪れ、英・米・欧でも教育を受け、様々な文化を観察してきたという。いま就活の真っ只中にある大学生たちには、こういう国際的な働き方もあるのだと知ってもらいたい。

本人は「ヨーロッパに住む日本人移民、いわば"和僑"です」と謙遜しているが、異文化コミュニケーションを真に理解し実践している優秀な人物である。雑誌に連載を持ち、異文化比較や日本論に関する多くの著作もある。

人生における3大事業は、「就職と結婚と死」である。そして彼が提唱する「ストリートスマート」な生き方にわたしは共感した。

きみは電車に乗りたいのか、それともクルマを運転したいのか---。人生には様々な選択肢がある。

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モリヤマ シマジ先生、立木先生、はじめまして。スティーブ・モリヤマと申します。今日はよろしくお願いいたします。

立木 スティーブ? 顔からは想像できない名前だね。なになに、長ったらしい横文字の名前の会社だな。なんだか難しそうな仕事をしているんだね。

シマジ 今日はヨーロッパで活躍する日本人として、目下就活中の学生諸君にいろんなことをアドバイスしてもらいたいんですが、まず、あなたがどうしてヨーロッパ人と肩を並べて仕事ができるようになったのかを聞かせていただけますか。帰国子女だったんですか?

モリヤマ わたしは生まれも育ちも入船の江戸っ子なんです。周りには国際的な環境もなく、英語を話せる人もいませんでした。

シマジ 入船ですか。新富町とか八丁堀界隈ですね。

モリヤマ はい、そうです。

シマジ その昔「むっつり右門」がいたところだ。