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スクープ告白! 側近幹部が「命がけ」で初めて明かす「私が見た金正恩の狂気と真実」
32歳の若すぎる独裁者は何を考え、この世界をどうするつもりなのか

本誌編集次長 近藤大介

「核の小型化に成功」と宣言したものの、いよいよ孤立感を深める北朝鮮の「暴君」。面従腹背を続ける側近幹部の証言は、いまの平壌は、すでに崩壊寸前であることを雄弁に物語っていた。

「あの国防相はミスをした」

金正恩第一書記を間近で見る側近幹部が、口を開くことはまずない。だが今回、ある方法によって、国境を挟む「中国」を経由する形で、信頼できる人物を通して、北朝鮮幹部から最新の話を得ることに成功した。以下は、その一問一答である。

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—5月13日に、韓国政府の情報機関である国家情報院が、「金正恩第一書記の側近である玄永哲人民武力部長(国防相)が4月30日頃、高射砲によって公開処刑された」と、韓国国会の情報委員会に衝撃的な報告をした。処刑された理由は、最高司令官である金正恩第一書記に口答えしたからとか、金第一書記の訓話中に居眠りしたからとかいうことだった。

この情報は、事実なのか?

「日本人はなぜ、南の傀儡(韓国政府)の主張を信用するのか?奴らがこれまで、何百回、何千回とデマを飛ばしてきたことを知らないのか?

そもそも、わが方の幹部が粛清された際には、こちらの当局がすぐに堂々と発表してきたではないか。'12年7月の李英浩軍総参謀長の時も、'13年12月の張成沢党行政部長の時も、間髪容れずに発表した。

それが今回は、朝鮮中央テレビが5月に入っても連日、金正恩第一書記に寄り添う玄永哲大臣の過去の姿を映し出しているではないか。幹部が粛清されたら、恥ずべき存在をすぐに削除するのが、わが国の流儀だ」

—それなら、玄永哲大臣の身には、何も起こっていないのか。5月に入って、金第一書記の視察に、玄永哲人民武力部長が同行したという北朝鮮メディアの報道はない。

「玄永哲に最近、問題があったのは事実だ。一言で言えば、ミスリードがあったのだ」

「われわれも悩んでいる」

—それは、金正恩第一書記がロシア訪問をドタキャンしたことと関連があるのか?金第一書記は、5月9日にモスクワで開かれた対独戦争勝利70周年記念式典に参加する予定でいた。実現すれば第一書記に就任して3年余りで、初の外国訪問となるところだった。ところが、4月末になって突然、「不参加」とロシア側に通告した。

「まさにその件だ。第一書記ロシア訪問の担当責任者だった玄永哲は、当初は随分と大きな話を吹聴し、金第一書記を喜ばせたものだ。世界中から国家元首がモスクワに集結するが、金第一書記だけ特別扱いだとかいう類いのことだ。