安倍首相がトップ営業する「アジア新幹線セールス」、まずはマレーシアで日中決戦へ
「台湾新幹線」で日本は勝利した。マレーシアから新幹線建設ラッシュが始まる photo  Getty Images

最近、アジア各国が日本の新幹線を採用するというニュースが目に付く。例えば、『日本経済新聞』(5月26日付朝刊)は来日中のマレーシアのナジブ首相単独インタビューを掲載、同国の首都クアラルンプール~シンガポール間で計画される高速鉄道に新幹線が有力候補であると報じた。

 「マレーシア新幹線」めぐる日中営業戦争

28日付各紙を読むと、来日したタイのプラジン運輸相と太田昭宏国土交通相が前日の27日、同国が計画するバンコク~チェンマイ間の高速鉄道に日本の新幹線技術を導入する前提に、共同で事業調査(FS)する覚書に調印したとあった。

前者のマレーシア高速鉄道計画は、クアラルンプール~シンガポール間約350㎞を約1時間半で結ぶというもので、総事業費約110億ドル(約1兆3000億円)を予定している。アジアインフラ投資銀行(AIIB)創設に注力する中国は、マレーシア、シンガポール両政府に自国技術の採用を働きかけている。TGV(フランス版新幹線)の実績を持つフランス、ICE(ドイツ版新幹線)を有するドイツも関心を示している。

日本勢はJR東日本、住友商事、三菱重工がタッグを組み、入札の準備に入っている。ナジブ首相は先のインタビューで、資金調達先と鉄道技術、安全性、整備など長期のコストを合わせたパッケージで評価したいと語っている。

これに先立つ21日、安倍晋三首相は第21回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社、日本経済研究センター共催)の晩餐会で、日本は今後5年間でアジア開発銀行(ADB)と連携してアジアのインフラ整備に約1100億ドル(約13兆円)を投じると言明した。この安倍発言とナジブ首相インタビューが底流でリンクしていることは自明である。