【有料会員限定記事】大学での勉強と起業を両立させるには(文/リチャード・ブランソン)
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【質問】 カナダの大学の1年生です。オンラインビジネスの素晴らしい企画を考えたのですが、フィリピンにいる事業家の両親が、そんなことで勉強のほうがおろそかになるのではと心配しています。現在私はカナダに留学中で、親の金銭的な負担は大変です。しかし新事業への情熱は変わりません。どうやって両親を説得したらいいでしょうか?(ルイーザ・サリムバンゴン)

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学業と起業は両立できる

――ブランソン: 私の母は起業家で、今なお現役です。私がアドバイスを必要とするときは、いつもそばにいてくれました。新事業の新しいアイデアに最初に耳を傾けてくれるのは、いつでも両親だったのです。ルイ-ザさん、ご両親が起業の経験者だなんて、あなたは実に幸運です。

母の職業は私に大きな影響を与えましたが、あなたも同じように刺激を受けているようですね。しかし大学というのもすごく魅力的です。私は、40歳を超えても、学業に戻るために何年間か仕事から離れようと考えたくらいです。妻は反対でした。学位所得にはすごく時間がかかります。勉強しながらヴァージンを続けることはとうてい無理だというのです。

若い起業家は学業を続けるか起業するか、どちらかを選ばなけえばならないと、多くの人が考えています。しかし現実には、この2つは両立できます。大学は、学生が自分の勉強に関係する新事業を起こすよう励ますべきです。特に実務課程の教授たちは、クラスに起業家精神を育むよう奨励すべきでしょう。大学は、起業した学生を指導し成功へと導かなければなりません。駆け出しの起業家を、徒手空拳でやらざるを得ないような状況に追い込むべきではありません。

学生起業家を手助けする方法の1つは、学位取得の期間を短くすることです。今の方法では時間が無駄になりやすいのです。新入生の最初の1年はだいたいむなしく費やされ、その後の3年間分は、2年もあれば難なく履修ができます。期間を短縮すれば、学生の経済的な負担が軽減し、彼らも新事業をずいぶん起こしやすくなるはずです。

あなたが、障害にくじけず何とか起業しようとしていることに感動しています。ご両親に話すときは、忘れずに、「大学の授業に出席しながら起業するというのは、非常に優れた決心だ」と伝えてください。大学とは常に学び続ける場所です。そこで経験がすべて新事業につながることはありませんが、批判的にものごとを考える姿勢は学べます。また、学びの環境は、学生に人々との新しい出会いや、アイデアを共有する機会を提供します。これは巨大な恩恵で、大学時代に形作られる仲間や友情の数々は無限です。

しかしご質問の通り、問題は「学業をおろそかにせずにこれをどうやるか」です。

事業であれ学業であれ、どちらも大変な努力を必要とします。しかし勉強する時間はかなりフレキシブルなはずです。もしあなたが情熱を感じ、心から好きな科目を勉強しているのならば、何時間かかろうが、心からエンジョイできるはずです。

学業をおろそかにしないために「行動計画」を考えるべし!

忘れてならないのは、多くの新人起業家たちが、学校や昼間の仕事、子どもの世話など、いくつかのことを同時にこなしているという事実です。しかしうまくやっている人たちは、昼夜を問わず1つのことに没入しないように行動計画を立てています。夢中になれるアイデアに取り組んでいると、あなたの時間もたちまち過ぎてしまいます。ですからメリハリをつけて、この日は勉強、ほかの日は起業のためと割り振ってください。自分を偽ることなく、起業の仕事は学業を損なわないかどうかを考え、その結果に従って計画を立てましょう。

地元のコミュニティで、助言をくれて自分の軌道修正もしてくれるメンターを見つけようと考えたことはありますか? あなたの大学に起業家クラブはありますか? そういったグループは、仲間の人脈にあなたをつないでくれて、学業と実業のバランスをうまく取っている人々にも引き合わせてくれることでしょう。(自分のアイデアに役立つコメントをくれる友人も見つかるはずです)。

あなたの仕事を分担してくれる共同創業者が欲しいと考えることが将来あるかもしれません。なにもかも、すべて1人で行うわけではない、とご両親に話せば、あなたの計画が現実的だと分かり安心するでしょう。

事業計画の大筋を書き上げたらそれをご両親に見せ、2人の支援が大事であると強調してください。新事業に必要な要する時間を正直に伝え、
学業への影響を最小化するためにどういった方法を考えているのか、あらかじめ話し合いましょう。

時間管理や問題解決、さらに昔ながらのハードワークについて学ぶには、スタートアップを実際に経営してみるに超したことはありません。あなたがもし、以上のようなことをやれたなら、大学卒業のころには、自前の小さな(しかしうまくいけば繁盛している)会社のオーナーとなっていることでしょう。幸運を祈ります!

(翻訳/オフィス松村)