医療・健康・食
「断糖」の名医に教わる 後編
コンビニ弁当だって食べ方次第で「消化力」をアップする!

文/西脇俊二(ハタイクリニック院長)
もともとは精神科医として「うつ病」などを研究していた西脇俊二医師(東京・目黒区のハタイクリニック院長)。恩師が「糖尿病患者にはうつ病が多い」との視点から糖質制限を研究していた影響で、次第に「断糖」にのめり込んでいく。医療の現場で患者さんと対峙するうちに、糖質過多が体にも心にも悪影響を及ぼすと確信したという。著書「断糖のすすめ」がベストセラーとなった西脇医師に、食習慣の改善により「消化力」を高めるという健康法について講義してもらった。第1回はこちら

食材は、作り手の顔が見えるものがベスト

西脇俊二ハタイクリニック院長

今の時代、少し贅沢に聞こえるかもしれませんが、大事なことを提案したいと思います。それは「作り手の顔が見えるものを食べよう」ということです。

働き盛りの年代の場合、「毎食、コンビニや外食のお世話になっている」という人も多いでしょう。しかし、「休日などはできるだけ自炊してほしい」「お惣菜やインスタント食品、冷凍食品などに頼らないでほしい」と思います。

なぜなら食べ物は、体にとって大切な「情報」の一つ。口から入った食べ物は、間違いなく「あなた自身」になります。だから意識して、少しでも良質の ものを選ぶべきなのです。素材も吟味してください。

生鮮食品であれば、産地や農協名が明示されているなど、生産者の情報が伝わってくるものが安心です。

よい食べ物と、そうでない食べ物。その違いはどこにあるのでしょう?

たとえばお酒だと、違いを実感しやすいかもしれません。同じ量を飲んでも、価格が高いお酒は「なぜか翌日に残らない」、そんな経験をしたことはありませんか。

その理由の一つに、添加物の量の差が挙げられます。せめて、食品表示を見るクセを付けて、良質のもの(添加物などが少ないもの)を選んでいきましょう。

「時間はお金で買える」(ドイツのことわざ)にならって言うならば、「食の安全はお金で買える」。消化力が下がっている患者さんたちに接して、病気 の原因に思いを巡らせるとき、私はそう感じずにはおれないのです。「すべての食品をオーガニックに!」なんて言いません。でも、あなたの消化力アップのた めに、「エンゲル係数」(消費支出に占める飲食費の割合)を、少し上げてみませんか?

「コンビニごはん」の理想とは?

「食事は、なるべく自炊。外食をするなら、きちんとしたお店で」というのが、理想です。しかしお仕事の都合で、手近なコンビニエンスストア(以下コンビニ)などを利用せざるをえない人も多いでしょう。

コンビニで何を選べばよいのか。ここでは、基本的な考え方を提案します。

コンビニの商品を選ぶときの基準は、「冷たいもの」ではなく、「温かいもの」、せめて「常温のもの」を選ぶことです。たとえば「冷やし中華」「冷や しうどん」「冷製パスタ」などの冷製めんは、体を冷やすため、消化力を一気に低下させます。食欲が落ちる暑い時期に人気のメニューのようですが、冷たいも ので消化力を低下させては、一段と食欲もなくなり、体調を崩してしまいます。

冷たいものを食べたい場合、温かい飲み物を一緒に飲んでください(常温の水も、体にとっては「冷たい」ので、温かい飲み物の代わりにはなりません)。

「温かいものを選べばよいのなら、電子レンジでお弁当を温めればよいのでは?」

そんな声も聞こえてきそうですね。ただし電子レンジが及ぼす食材への影響などを考えると、私はおすすめしていません。

もっともよいのは、缶詰めの商品です。缶詰めは「詰めてから加熱殺菌する」という製法の特質上、添加物がゼロに近いからです。おつまみのコーナーの付近など、よく探してみてください。ツナ缶や魚の水煮類などはどうでしょう。

私は以前、イカ飯やムール貝の缶詰め(スペイン製)を食べたことがありますが、美味でした。よい商品があれば、職場のデスクにストックしておきましょう。