世界経済
FRBは年内に利上げに踏み切れるか

年内の利上げを示唆したイエレンFRB議長  photo Getty Images

5月22日、イエレンFRB議長は講演で、「米国の景気が今後も回復してゆくならば、年内に利上げを開始することが適切だ」との見解を示した。

同議長は、足許の景気が幾分減速気味であることを認識しつつも、金融市場の過熱感への懸念を背景に利上げの正当性を主張した。

4月のFOMC議事録で6月の利上げの可能性が低下し、一部市場参加者は、年内の利上げも困難ではないかという見方を持っている。その中で、今後の回復を条件にしつつ利上げに言及することは、経済に思わぬリスクをもたらす可能性を孕んでいる。

米国の景気回復は鈍化している

イエレン議長は今後も景気回復が続くと考えているようだ。しかし、足許の米国経済は幾分弱めに推移している。製造業の景況感、中古住宅の販売は市場の予想を下回っている。予想を上回る貿易赤字等を考慮すると、今後のGDP成長率がマイナスに陥ることも考えられる。

こうした弱い景気の動きから、FOMCは6月の利上げが時期尚早だと判断した。市場では9月の利上げを期待する動きが強まっているが、今後も軟調な景気が続くのであれば、利上げそのものが困難になる可能性を完全に払拭できない。