政局
「70年談話」「AIIB」で官邸に異論唱える「自民党親中派筆頭」二階俊博氏の実力
二階俊博総務会長 photo Getty Images

中国で大歓待される二階総務会長

5月20日夜、自民党の二階俊博総務会長が率いる訪中団が中国・広州に入った。翌21日、同地で次世代のリーダーとされる胡春華・広東省党委員会書記と会談した。26日までの中国滞在中に、北京、大連など各都市を訪れる。

同訪中団は、自民、公明、民主党の国会議員約20人、御手洗冨士夫元経団連会長(キヤノン会長)ら財界人やJTBなど観光業者幹部、一般参加者ら約3000人規模の超大型代表団である。

23日夜には、北京市内の人民大会堂で、中国共産党・政府要人も出席する「日中観光交流の夕べ」に参加する。北京滞在中に習近平国家主席(共産党総書記)との会談も予定されており、中国側の厚遇が際立っている。

かつて自民党政治家では江沢民国家主席時代の曽慶江国家副主席との太いパイプを誇った野中広務元官房長官が親中派の頭目とされたが、現在の二階総務会長は野中氏を上回る存在になった感がある。

2月にも約1400人で構成する訪韓団を率いて韓国・ソウルを訪れ、13日に青瓦台(大統領府)で朴槿恵大統領と会談している。二階氏が推進した「国土強靭化計画」でも分かるように建設・運輸・観光業界に影響力を持ち、安倍官邸も無視できない存在になっている。

それをシンボリックに示したのは、5月17日に安倍晋三首相が二階氏の地元・和歌山県の高野山金剛峯寺(同県高野町)と熊野本宮大社(田辺市)を視察に訪れたことだ。そして安倍首相は二階総務会長を前に、開創1200年記念大法会で賑わう高野山で「高野山の幽玄で美しい景観に惹かれ、世界から観光客が集まって来ていることを実感できた」と、運輸・観光族のドンである同氏を持ち上げて見せたのだ。

9月の自民党総裁選での安倍首相の再選支持を派閥領袖として党内でいち早く打ち出した二階総務会長への配慮があるのは当然だ。それだけではない。中国主導で進められているアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加問題について、二階氏は「参加しようと思いを改めるなら、早い方がいい」と発言、不参加の意向を表明している政府サイドに再考を促しているのだ。

加えて、焦点の「戦後70年談話」に関しても野党などの多様な意見に耳を傾けるべきだと主張するなど、官邸が抱える今後の重大案件に「異論」を唱える二階氏の存在が煙たいのである。

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