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健康診断の「コレステロール基準値」はこんなにいい加減

「コレステロール値」の嘘 第2部
週刊現代 プロフィール

それだけでなく、「コレステロール値が高いほど健康にいい」という研究結果も、国内外に少なからず存在するという。浜崎医師が続ける。

「コレステロール値が高い人は、感染症にかかりにくいんです。

LDLコレステロールは、体内に入った細菌やウイルスの毒性を中和する性質を持っている。肺炎などの感染症や、バクテリアが引き起こす内臓疾患を予防する役割もあるのです」

浜崎医師は、日本人5000人以上を5年以上にわたって追跡調査した研究で'95年以降に発表されたものを集め、分析した。すると、コレステロール値と死亡率に次のような関係が浮かび上がってきたという。

「まず男性では、血中の総コレステロール値が160mg/dℓ未満の人たちは、標準値(160~199mg/dℓ)の人たちより死亡率が6割も増えていることがわかりました。さらに、コレステロール値が増えるに従って、総死亡率が低下していたのです。

女性の場合、総コレステロール値が160mg/dℓ未満では、標準値の人たちより4割ほど死亡率が増え、それ以上コレステロール値が上がっても死亡率は変化しませんでした」

「コレステロール値は高いほど長生きする」とまで思えるようなデータが出ているのだ。

 

こうした医師らの意見を聞くと、そもそも健康診断でコレステロール値を気にすること自体が意味のないことのように思えてくる。

しかも、いい加減な基準値を少し超えたからといって、高コレステロールの食事を執るのを我慢しても、体内のコレステロール値が下がるわけではない。それじゃあ、何のために健康診断のたびにコレステロール値を測るのか。

前出の岡田医師は、「基準値を設けること自体がナンセンス」だと指摘する。体質は人それぞれ異なるので、すべての人を同じ基準で区切ることなど到底できないからだ。そのうえで、この程度の数値であれば気にしなくていいという目安を岡田医師が教えてくれた。

「ほかの検査値に大きな異常がなく健康な人であれば、LDLコレステロールが180mg/dℓくらいまでであれば、心配しなくていいと私は考えています」

食事制限にも意味がなければ、基準値もいい加減。これが、いままで隠されていた「コレステロールの真実」なのだ。

>>>「第3部 利権になっていた意味のない「コレステロール値」で儲けている人たち」は27日公開です

「週刊現代」2015年5月30日号より


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