長野県副知事・中島恵理「環境省、上智大学教員時代にも活きたオックスブリッジで育んだ自主性と結束」
オックスブリッジの卒業生は、いま

シリーズ「オックスブリッジの卒業生は、いま」では、オックスブリッジの卒業生はじめ、両大学に縁のある方々のインタビューを掲載していきます。オックスブリッジでの経験が自身の生き方やキャリアにどう影響を与えたかなど、様々な切り口でお話を伺っていきます。

第2回は、この春(2015年4月)から長野県副知事を務める中島恵理さんの登場です。中島さんは、オックスフォードとケンブリッジそれぞれで環境について学んだ後、環境省等での勤務を経て、昨年度までは環境省からの派遣により上智大学大学院の地球環境学研究科で教鞭をとっていました。環境省とケンブリッジ大学との両方で中島さんの後輩にあたる筆者・島田が、中島さんにオックスブリッジでの学びや経験、そしてそれらがその後の仕事や人生にどのように活かされたか、話を伺いました。

環境省にて中島恵理長野県副知事をインタビュー

オックスブリッジを選んだ理由

―まずはじめに、中島さんはなぜオックスブリッジを目指されたのでしょうか?

京都大学で学部生として過ごしていた時にケンブリッジに語学留学しました。街と大学が一体となっている環境での生活が心地よく、いつかこの環境で勉強したいと思っていました。このため、環境省への勤務中、官庁職員が応募できる海外留学研修制度を利用して、オックスフォードとケンブリッジに出願しました。

オックスブリッジを選んだのは、ロンドン大学等と比べて授業による拘束時間が少なく、生徒の自主性が重んじられていると聞いたからです。このため自分のやりたいことができます。私自身、個人的に研究したいことがありましたので、コースワークと並行して、自ら計画した様々なフィールドワークを始め、自分の勉強時間をとることができました。

それから、オックスブリッジではカレッジで生活するので、自分の専攻分野以外の学生とも深く交流できることも魅力的でした。

生徒の自主性を重視した教育環境

―オックスブリッジでは、実際にどのような勉強や生活をされたのですか?

英国の修士は1年間のコースが多く、私の場合留学期間は2年間ありましたので、計2つの大学で勉強することになりました。ケンブリッジでは、MPhil in Environmental Policy(環境政策の修士コース)を専攻し、Darwin College (ダーウィンカレッジ)に所属しました。オックスフォードでは、MSc in Environmental Change and Management(環境の変化とマネジメントの修士コース)で学びながら、Linacre College (リナカーカレッジ)で生活しました。リナカーは伝統的に環境分野に強いカレッジでした。どちらも大学院生のみのカレッジだったので、とても落ち着いた環境で勉強ができました。

―カレッジの中でも色々なイベントがありますよね。特に環境に強いカレッジがあることは知りませんでした。コース内容や、中島さんご自身の勉強はいかがでしたか。

コースでは、地球温暖化対策の政策手法、例えば環境税や温室効果ガスの排出量取引、協定などについて勉強をしました。具体的には、アメリカやオランダなどで様々な政府からヒアリングを行って協定という政策の取組み状況を学んだり、スウェーデンやフランスでエコロジカル・ビレッジを見学したりしました。イギリス国内も色々な場所を見て回り、それらを元に執筆したオックスフォードでの修士論文を日本語訳する形で、『英国の持続可能な地域づくり――パートナーシップとローカリゼーション』 という本を出版しました。

このように色々な所へ行き、自分の興味に沿った研究ができたのは、前述したように、生徒の自主性が重んじられ自分の時間がとれるオックスブリッジならではだと思います。