賢者の知恵
2015年05月31日(日) 週刊現代

「2分前のことも忘れる」「得意だった料理もできない」大山のぶ代を襲った「認知症」——あぁ、自分が自分でなくなっていく……

週刊現代
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「のび太くん、しょうがないなあ~」。子供も大人も魅了した、あの独特の声の持ち主がいま、残酷な病魔と闘っている。突然、ふりかかった認知症。それでも前向きに生きようとする夫婦の姿を追った。

がんのときよりつらい

「いまは、2分前のことも覚えていません」

「たとえば僕が出かけているときも、留守番はできないんですよね。電話に出ても、ちゃんと受け答えができないから……」

女優・大山のぶ代さん(78歳)の近況を、夫である俳優の砂川啓介さん(78歳)は、こう語った。

大山さんと言えば、テレビアニメ『ドラえもん』で26年間、ドラえもんの声を演じて、子供たちのみならず、あらゆる世代の人に愛された名優だ。

'05年に『ドラえもん』の声優陣が世代交代し、後進に道を譲ったあとも、バラエティ番組への出演や、得意の料理の腕を活かして料理研究家の肩書でも活躍してきた。

だが、ここ数年はテレビから姿を消していた。

5月13日、TBSラジオ『大沢悠里のゆうゆうワイド』に出演した夫の砂川さんは、実は大山さんが現在、認知症に苦しんでいることを、初めて公表した。

家族やマネージャーが入浴など、日々の生活のちょっとしたことまでサポートしなければならない状態だという。

「料理も得意だったんだけど、いまはもう全然できません。するとしたら洗い物くらいかな。それも大ざっぱなんですよ。一生懸命洗うんだけど、洗剤を使わなかったりして。だから、僕が洗いなおさなきゃいけないこともあります」(砂川さん)

メディアにも「おしどり夫婦」としてたびたび登場した大山さんと砂川さん。1963年に舞台で共演して出会ったというが、当時は「彼女が独りで暮らしているところに、みんなで麻雀をしに上がり込むと、彼女が味噌汁なんかを作ってくれた」と砂川さん。

味噌汁を作るのが上手な女性と結婚するとよい、と言っていた砂川さんの母親も大山さんを気に入り、翌'64年に結婚。

大山さんの作るおいしい料理は、二人の明るい家庭に欠かせないものだっただろう。それがいまは、失われてしまった。

はたして、大山さんを襲った認知症とは、どのようなものだったのか。

「ずっと、脳梗塞の後遺症だと思っていたんだけど、最近どうも違うんじゃないかと気がついた」

こう砂川さんは話す。

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