磯山友幸「経済ニュースの裏側」
2015年05月22日(金) 磯山 友幸

関西電力が家庭向け電気料金再値上げ。業績の回復より自由化で新電力へのシフトが本格化する可能性あり。

原発の再稼働が延びたのが赤字増の原因!?

経済産業省は5月18日、関西電力が申請していた家庭向け電気料金の再値上げを認可した。

値上げ幅は平均8.36%で6月から実施するが、電気の消費量が増える夏場の料金急増を避けるため、9月まで4ヵ月間は平均4.62%に値上げ幅を圧縮する。

また、企業向けの料金の値上げについては、6月から9月までは平均6.39%、10月以降は平均11.50%とした。

今回の値上げ、業績悪化に苦しんでいる関電にとっては止むに止まれぬ方策ということだろう。2015年3月期の連結最終損益は1767億円の赤字と、前の期の930億円の赤字から赤字が大幅に増えた。

「原子力プラントが平成25年の電気料金の値上げの前提どおりに再稼働できなかったことから、事業収支は極めて厳しい状況となりました」

関西電力は決算書で赤字拡大の要因をこう分析している。確かに損益計算書をみると、前期の電気事業の収入は2兆9365億円と2.8%増えているが、電気事業の費用は3.0%増えた。原子力発電所が稼働しなかったので、費用を抑えることができなかった、ということなのだろう。電力事業など「本業」の儲けを示す営業損益は前の期の717億円の赤字から786億円の赤字へと、赤字幅が膨らんでいる。

今回の大幅な値上げで、関電の業績は黒字になるのだろうか。何せ2015年3月期に他の電力会社が軒並み営業黒字になる中で、九州電力とともに営業赤字となった。しかも、九州電力は赤字幅が半減しているのに、関電だけが赤字を増やした。原油価格の大幅な下落で「燃料安」という追い風が吹いたにもかかわらず、関電はそれを生かすことができなかったのだ。

それだけに今回、昨年に続いて大幅値上げに踏み切ることで黒字化は確実ということだろう。

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