【リリカラ 山田俊之社長】社員と一対一でうまくいかない点の改善法を議論する。仕事には、そんな手間が大切なのでしょう。

デザイン性が高い壁紙や、カーテン、床材で知られるリリカラ。インテリアデザイナーがホテルや飲食店などの内装に採用する例が多かったが、近年はリフォームブームもあって、週末になるとショールームは一般客で賑わう。また、マネジメント技術を高めてオフィスのリノベーション事業も行い、「人が自然に集うオフィス」など魅力的な空間を提案している。社長は、創業者の娘婿にあたる山田俊之氏(52歳)だ。

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やまだ・としゆき/'62年東京都生まれ。'85年3月に一橋大学社会学部を卒業して、同年4月、三菱銀行へ入行。'93年、リリカラへ入社し、'97年には経営企画部長に就任。'06年より現職。同社のスペースソリューション事業は、東京都内を中心に約2500社のオフィスをリニューアルするなど人気が高い ※リリラカのwebサイトはこちら

世界観

古来、日本のデザインは美しく、なかでも着物の文様を染める際に使われた型紙は、シーボルトの手により多数の浮世絵と共に西欧に持ち帰られ評価されました。弊社はこの型紙の中でも、図柄の芸術性が高い『伊勢型紙』の文様を壁紙に取り入れ、『kioi』というブランドで販売しています。

また、洋室向けには、19世紀の英国で活躍し、世界中の美術に影響を及ぼしたデザイナー、ウイリアム・モリスが制作した柄の壁紙もあります。壁紙は、無難な白が使われることが多いかもしれませんが、彩り豊かだと、一目でお店や住む人の世界観を伝えられるんですよ。

併せ持つ

近年はさまざまな機能性を持つ壁紙を商品化しています。「撥水トップコート」と呼ばれる、汚れがつきにくいもののほか、傷がつきにくい「表面強化」の壁紙、さらには「消臭機能」を持った商品もあります。今まで、この3つを併せ持った壁紙はなかったのですが、弊社は取引企業の協力もあって商品の発売にこぎ着けました。常に原材料メーカーにお客様のニーズを伝えたうえで開発を依頼するなど、情報をきちっと共有することが斬新な商品開発につながったと思います。

kioi 和のブランド『kioi』の由来は、写真のショールームが東京の紀尾井町にあるから。一番左が山田氏

基本

大学卒業後、銀行に就職しました。思い出は、入行時に頭取から「基本に忠実にやりなさい」と言われたこと。当たり前すぎて当時は心に刺さらなかったのですが、時が経つほど含蓄ある言葉だと思うようになりました。弊社も、私が来たばかりで業績が伸びていなかった時期は、カタログを出しているのに、流行やニーズを捉えようという意識が希薄だったと思います。また営業は顧客とのコミュニケーションを丹念に積み重ねていなかった。職種ごとにそれぞれ大切な基本があり、その基本にじっくり取り組めば、たいてい成績は上がるんです。