米国株式市場最大のリスク、利上げはいつか? 警戒感強まる中、上げ相場の立て役者バーナンキはヘッジファンドへ
7年目になるアメリカ株式市場の上げ相場、演出したバーナンキ前FRB議長の近況は photo Getty Images

世界の株式市場にとって最大のリスクは、米国の利上げに尽きると言っていい。ベン・バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長による圧倒的なマネーの力で制したQE1(金融緩和第1弾)からQE3(同3弾)に至る量的緩和によって米国株は2008年9月のリーマン・ショック後6年間上がり続け、史上最高値を更新してなお上げ相場は7年目を迎えている。

「年内利上げ」説

だが、バーナンキ氏の後を継いだジャネット・イエレン議長は5月6日、ワシントンの国際通貨基金(IMF)本部でのクリスティーヌ・ラガルド専務理事との対談で「(米国株は)一般的にとても高い」とした上で「潜在的な危険がある」と警告した。

その前日の5日、創設わずか5年足らずで資産を500億ドル(約6兆円)にした投資会社ダブルライン・キャピタルの創業者で、「新債券王」の異名を取るジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は、賃金上昇の鈍さを理由に「年内利上げ」に反対を表明した。

ガンドラック氏は、実は2ヵ月前にも注目発言をしている。

3月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明に「利上げに忍耐強く(be patient)」の文言が削除されたことから最速で「6月利上げ」説が急浮上した直後のことだ。

「FRBは金融・経済的な理由ではなく、思想的な理由で利上げを行うとしている」と語った上で「そうしたことは長続きしない。イエレン議長は再び政策金利の引き下げを余儀なくされるはずだ」と述べ、FRBの理念的利上げに警鐘を鳴らした。

事実、FRBは4月29日に発表したFOMC声明の中で、米経済について成長減速は一時的とした上で「緩やかなペースの拡大が続く」との見通しを堅持したものの、米GDP(国内総生産)速報値(1‐3月期)が前期比年率で+0.2%と事前の予想の+1.0%を下回り、2014年10‐12月期の+2.2%から事実上のゼロ成長に転落したと明かした。

同声明では、GDP悪化は原油安とドル高、厳冬や西海岸の港湾労使紛争などが主因であるとしたが、むしろ米経済回復の弱さはローレンス・サマーズ元財務長官が唱える「長期停滞論」で証明されている。