大阪都構想は、マジで洒落にならん話(1) ~賛成する学者なんて誰もいない編~ 文/京都大学大学院教授 藤井聡

2015年05月14日(木)
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「都構想」は実務の世界で鼻で笑われている

ただし「都構想」にダメだししているのは学者だけではない。しばしば、橋下市長が「学者」とは対局に位置すると言ってはばからない「実務」に長年携わってきた専門家達もまた「都構想」にダメ出しをしている。

例えば、『都構想の罠』という書籍の中で、長年東京の都区制度を報道し続けた記者たちがまとめた専門記者たちは次のように発言している。

「都区制度の下にある特別区は......半人前の自治体です」
「東京都庁や二十三区の職員や議員には、こうした大阪の動きを冷ややかに見ている人が少なからずいます。二〇〇〇年の都区制度改革やその前後の動きに関わったことのある人なら、この不合理な統治機構が いかに胡散臭いものかをよく知っているはずです」

これらの発言は、完全に先に紹介した学者達の認識と一致している。当たり前の話だ。学者であろうが実務家であろうが、真面目に真実に向き合えば、言うことが同じになるわけだ。

そして極めつけは、次の発言だ。

「十八年間、東京の都区制度を取材し続けてきた一人として、大阪で都区制度を導入しようとする試みは、滑稽でしかなかった」

つまり、欠陥品に過ぎない「都区制度」を健気に取り入れようとする議論を繰り返す大阪の人たちは、都区制度のプロ達から嘲笑され、鼻で笑われ続けてきたわけだ。

あるいは先に紹介した佐々木氏は長い間東京都の職員として勤め上げた人物だが、彼もまたその経験も踏まえつつ、次のように発言している。

「この際、「東京市」の復活も構想すべきではないか。」(『東京都政』岩波新書・佐々木信夫著 P208)

つまり都区制度なんて一刻も早く終わらせるべき馬鹿馬鹿しいシステムなのだ、と橋下市長の信頼あつき佐々木元顧問もおっしゃっていた訳なのである。

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