【第85回】 ユーロ圏市場は「巻き戻し」による調整局面
〔PHOTO〕gettyimages

マーケット「巻き戻し」の最大の理由

ゴールデンウィーク直前あたりから、世界の株式市場は調整局面を迎えていると言ってよいだろう。直近1ヵ月(5月12日まで)の世界の主要株式市場のパフォーマンス(上昇率)をみると、米国が+0.1%、日本が-1.4%、ドイツが-7.3%、英国が-1.4%など、先進国の株式市場は軒並み冴えない展開となっている。この展開は、新興国の株式市場にも影響を及ぼし始めている。

新興国も同様に過去1ヵ月間のパフォーマンス(上昇率)をみると、インドが-6.9%、インドネシアが-5.2%、フィリピンが-4.2%とアジアの新興国のパフォーマンスが軒並み悪化している。中国は依然+9.1%と高いが、年初からの上昇率は+36.1%であったことを考えると、上昇ペースはみるみる減速している。

このような世界的な株式市場の調整局面は、「リスクオフ」と言われ、従来までは、株式から債券(しかも、比較的安全性が高い先進国の国債)への資金逃避を伴うことが多かった。だが、今回の場合、先進国の国債も軒並み売られ、国債利回りは上昇している。そのため、今回の動きを単純にリスクオフと判断するのも難しい。

筆者は、3月から、4-6月期の株式市場は調整局面を迎えるのではないかと考えていた。これは、3月までの世界の株式市場の動きとは逆の動き(すなわち、「巻き戻し」)が起こり得ると考えていたことを意味する。より具体的に言えば、1)ドイツ株に代表されるユーロ圏の株式市場の調整(下落)、2)代わって、米国株の上昇(年初から3月までの米国株はほぼ横ばいで推移していた)、3)日本株はユーロ圏と比較すれば、下げ幅は緩やかだが、調整局面を免れない、というストーリーである。