日本の死因第1位はガンじゃない!? 産婦人科実録コミック『透明なゆりかご』作者・沖田×華インタビュー

産婦人科医院での看護師経験を基にした漫画『透明なゆりかご』のコミックス第1巻が発売された。本作で描かれるのは中絶・ネグレクト(育児放棄)・DV・性虐待など、産婦人科医院のもう1つの姿。作者である漫画家の沖田×華さんにお話をうかがった――。

医療モノへの違和感

沖田×華 (おきた・ばっか)1979年、富山県生まれ。高校卒業後、看護学校に通い、22歳まで看護師として病院に勤務。その後、風俗嬢になって富山、金沢、名古屋で働く。2008年、『こんなアホでも幸せになりたい』で漫画家として単行本デビュー。

---以前から医療モノのドラマや漫画に違和感を感じていたとうかがいました。具体的にはどのようなことが気になっていたのでしょうか?

出産・妊娠に関するお話は、「色々な困難があったけれど、産んだら皆幸せ」というオチになることが多いんですね。でも現実は産んだら終わりじゃありません。赤ちゃんが無事に生まれたら家族の人生は幸せかといったらそういうケースばかりではありません。

もちろんドラマはフィクションですし、脚色されているのは理解しています。けれど、観た人はこれで納得しているのかなっていうのがずっと引っかかっていたんです。

---沖田さんが病院で見たものと違っていたのですね。

そうです。普通に結婚して子供を産む人が半分、そうじゃない人が半分。全然少数ではありませんでした。不倫の子供を黙って産んだ人など、ワケアリの妊婦さんが結構いました。

この漫画はわたしが准看護学科に通っていた高校生の時のお話です。90年代後半のこの頃は、"できちゃった結婚"がとても流行っていたんですね。世間一般には日本人の死因第1位はガンと言われていましたが、本当は人工妊娠中絶が1位だとバイト先の先生に教わりました。(※この作品の病院内、医療の描写は作者が産婦人科医院でバイトをしていた1997年当時の状況です。現在とは多少異なることをご了承ください)

---産婦人科は命が生まれるだけの場所じゃないっていうことですね。

本当ならそういうものは見なくていいじゃないですか。見たくないし。でも、赤ちゃんが生まれて幸せそうな人々の裏側で、こっそりと正反対のことをしている。産婦人科の明暗を描きたいと思いました。特別なことではなく、日常的に起こっているものとして、です。
 

透明なゆりかご』
著者= 沖田×華
講談社(KC KISS) / 定価463円(税込み)

◎内容紹介◎

生まれる命、消えゆく命、その重さは違うのだろうか---全てが作者の体験に基づく新実の産婦人科医院物語!
看護学科の高校3年生の×華は母親のすすめで産婦人科院の見習い看護師として働くことになる。中絶の現場やその後処置を体験して一時は辞めそうになるが、出産の現場に立ち会い生まれる命の力強さに感動し、仕事を続けていく決意をする。「多くの人に教えたい、読んでほしい」---回を追うごとに読者からの反響が大きくなっていった感動作、いよいよコミックスで登場!

⇒本を購入する AMAZONはこちら / 楽天ブックスはこちら