経済・財政

相も変わらず「国の借金が増えた」と大騒ぎする財務省の姑息な「情報操作」。消費税10%不要論を封じる意図か

この数字を受けて、新聞各紙には紋切型の見出しが並んだ

財務省は5月8日、今年3月末時点の「国の借金」残高を発表した。国債と借入金、政府短期証券の合計額は1053兆3572億円。3月末としては初めて1000兆円の大台に乗せた1年前に比べて、28兆4003億円増えた。

新聞各紙は「国の借金最大、1053兆円に増」(日本経済新聞)、「国の借金 最多1053兆円」(朝日新聞)と伝え、人口で割って「国民ひとり当たり830万円の借金を抱えている計算となる」(産経新聞)と事態が切迫している様子を示した。

この統計は3ヵ月ごとに発表されているが、「国の借金が増えて増えて大変だ」と大騒ぎするのは毎回同じ。国民ひとり当たりいくら、というのもお決まりのパターンである。

新聞各紙の記事は、見出しも内容もほぼ一緒だから、財務省の記者クラブに所属する若手記者が、発表資料を見て右から左へ「処理」しているのだろう。財務官僚の説明を受けて、そのまま書いているのかもしれない。

借金増加率がアベノミクスで鈍化した!?

だが、「過去最多」と騒ぐほかに、今回の統計数字は何かを物語っていないのだろうか。つまり、画一的ないつも通りの記事にしかならないニュースだったのか。

財務省のホームページにある過去の発表数字を時系列に並べるだけでも、違った様子が見えてくる。

「国の借金」は2008年度(2009年3月)末に前年度比0.3%減少したことがあるが、2009年度以降は増加が続いてきた。

その増加率は、2009年度4.3%増、2010年度4.7%増、11年度3.9%増、12年度3.3%増、13年度3.4%増といった具合である。

そして今回発表の14年度(今年3月末まで)の1年間は2.8%の増加だった。

つまり、過去1年の国の借金の増加率は前の年度に比べて鈍化したのだ。2006年度から08年度までは借金の伸びはマイナス0.3%からプラス1.8%と小さかったが、この3年度を除くと、2.8%という伸び率は2000年度以降、最も小さい。

この背景には、税収が予算を上回って増えていることや国債金利が低下したことがあると思われる。アベノミクスの効果によって財政が改善方向に向かう兆しが出始めている結果と言えるわけだ。

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