「バズフィードは第2の波の勝者」 ソフトバンク・キャピタルVPが語る「Webメディア第3の波とその勝者」

バズフィードやハフィントン・ポストなど日本でも有名なメディアベンチャーに、ソフトバンク・キャピタルが初期から投資していることはご存知だろうか。

ニューヨークに拠点を置くこのベンチャーキャピタルは、前回取り上げたNowThisや、動物愛護系のバイラルメディア「The Dodo」など数多くの新興メディアにも投資している。そんな彼らは、メディア・コンテンツ業界について優れた仮説を有しているはずだ。

そう考えた筆者は、ソフトバンク・キャピタルでヴァイス・プレジデントを務めるフィル・シェブリン氏を取材した。

広告側から見れば、ウェブメディアが稼げない理由は明白

「いま我々は、『モバイル革命』と呼ばれる大変化の最中にある。問題はWebサイトで起きている。バズフィードやハフィントンポストはもともと、他のところからコンテンツを集めてまとめ記事を生成していた。それがなぜユーザーの支持を得たか? ユーザーはたった数秒で記事を読み終えたいからだ。

バズフィードは、広告モデルで数百万ドルぐらいは利益を出している。ただ、それでも全然少ない。ユーザーはNYタイムズより多いのに、収入はずっと少ない。広告モデルをとっているYouTubeを見てみなさい。あれですら儲かってないよ。ネット上のアグリゲーターに対して、企業は広告費をテレビや雑誌ほどに払ってくれないんだ。これでは、Webメディアの単価は、紙の100分の1になってしまう。

なぜか? 広告の観点から見てみよう。今は媒体の数がすごく多いし、毎月増える一方だ。これらがみんな頑張って広告主を探している」

――つまり、広告主側にとっての買い手市場ということか。

「しかも今は細かくユーザーが特定できる。たとえば21~24歳の、都会に住む金持ちの女の子とか、だれがお客さんなのかがすごく見やすい。だから中抜きできないし、単価が安くなる。要するにWeb広告では媒体は大して儲からないということだ。

ウェブメディアで月間1,500万ドル(約18億円)稼ぐためには、全米でトップ50のトラフィック稼がないとダメなんだよ(バナー広告の場合)。月間2億人ものユーザーがいて、年間1億ドルの売上高なのがバズフィードだ」

フィル氏によれば、バズフィードの新しい広告収入モデル、すなわち「ネイティブ広告」は、今までよりも稼ぎやすいらしい。それでもなお、うまくいくかは未知数だという。

「メディア側の話に戻ろう。ウォール・ストリートジャーナルを見てみなさい。読者は、直接儲けにつながる有益な情報があるから、金を払ってくれる。私も払っている。NYタイムズのWeb版にも金を払っているよ。

しかし、バズフィードなどがやろうとしているのは、低質なもので、お金が払われるような高いクオリティの媒体を倒すということだ。

今となっては彼らは自分たちでスタジオをもって、ハイクオリティなものを作ろうとしているがね。バズフィードがうまくいくのがなぜかと言うと、ほとんどの人にとって、ほとんどのことはすぐ忘れるからだ。翌日まで大事なニュースはほんの少しだけだ」

本当に重要な情報には読者は金を払い、支えようとするが、ほとんどはバズフィードが代替可能だったということだろう。

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