イエレンFRB議長の「株割高、金利上昇のリスク」発言をどう解釈すべきか
株価の高さ、金利上昇のリスクに言及したイエレンFRB議長      photo Getty Images

4月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が事前予想22.8万人に対して22.3万人増加、失業率は横ばいの5.4%となった。イエレンFRB議長が株価の割高さや金利上昇のリスクに言及したこともあり、発表後の市場の反応は、今後の米国景気の行方を考える上で極めて重要な材料だった。

雇用統計後、米国の株式市場は上昇し、金利は低下(債券価格は上昇)、そしてドルは対円で下落した。総じて、市場の反応は低金利が続くという見方に影響されたようだ。しかし一方、米国経済の緩やかな回復が確実になると、FRBは利上げに動かざるを得なくなる。金融市場の今後の動向は、利上げのタイミングが何時になるかにかかっている。

貿易赤字のGDP下押し圧力

4月以降の米国を見ると、景気回復は鈍化していると思われる。鉱工業生産を始め、生産活動の勢いは低調だ。そして、3月の貿易赤字は予想以上の赤字に陥った。原因は、港湾ストが終わり、荷下ろしが進んだためだと言われている。だが、それが活発な経済活動に支えられているとは考えづらい。

これは1~3月期のGDP成長率の下方修正につながる可能性がある。1~3月期のGDPは年率ベースで0.2%だったが、今後の改定値はマイナス圏に落ち込む可能性もあるかもしれない。市場はすでにその可能性を織り込み、低金利が続くとみている可能性がある。

雇用統計は、ほぼ市場予想通りという報道もあるが、それは正確に実体を表してはいない。なぜなら、3月の雇用者数は8.5万人(当初12.6万人)の増加に下方修正されたからだ。1~3月の景気が想定以上に弱いとなれば、景気回復期待は後退しやすい。

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