国際・外交
ADB中尾総裁とAIIB初代総裁の会談で中国側が隠せなかった助平心
バクーでのADB総会に出席した中尾武彦総裁 photo Getty Images

 AIIBに対抗したADBの年間融資額増加

5月4日~5日、アゼルバイジャンの首都バクーでアジア開発銀行(ADB=本部マニラ。中尾武彦総裁・元財務官)の第48回年次総会が開かれた。

1966年に日米が主導して創設されたADBは現在、67ヵ国・地域が参加するが、この間、新興国から出資比率の見直しや融資審査の緩和など組織改革を求める声が上がっていた。

そうした中で、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の年内設立が確定したこともあり、麻生太郎副総理・財務相は4日の総会で演説し、ADB最大の出資国である日本の国際協力機構(JICA。田中明彦理事長・元東京大学副学長)とADBが協調融資などで協力する脇組み創設などアジア向けインフラ投資を官民一体で拡充していく構想を明らかにした。

と同時に、ADBが無償支援を含む年間融資額を1.5倍に増やすことを言明した。明らかにAIIBへの対抗意識から来る発言であった。

JICAや国際協力銀行(JBIC。渡辺博史総裁・元財務官)が担う日本のアジア向け支援は、2013年度の実績はJICAが約9000億円、JBICが約4700億円である。

アジアでのインフラ需要は毎年8000億ドル(約96兆円)の巨額にも拘わらず、ADBが14年に承認した支援額は約135億ドルに過ぎず、新興国・途上国から不満が高まる間隙を突いて中国主導でAIIB設立が決まった。

それ故に注目を集めたのは、中尾総裁が総会開催に先立つ1日、AIIB初代総裁就任が確実視される金立群・元財政次官と会談したことである。

財務省ナンバー2ポストの財務官出身の中尾総裁は、中国財政省生え抜きの国際派であり、ADB副総裁経験もある金立群・元財政次官とは国際金融の世界で長い付き合いがある。

では、中尾・金立群会談で何が話されたのか? 

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