野球
二宮清純「カープ菊池涼介、驚異の“勝利守備”」

内野手泣かせのグラウンド

「もう、いつものことだから、慣れっこになってしまって、別に驚かないんですよ」。広島のセカンド菊池涼介選手のプレーを評して、そう語ったのは同僚の丸佳浩選手です。

 とりわけ本拠地のマツダスタジアムでの菊池選手のプレーは圧巻です。私の目には「ユニホームを着た忍者」のように映ります。

 マツダスタジアムは、内野手泣かせといわれています。マウンド付近は天然芝ですが、そこから外野に向かって土になり、また天然芝に戻ります。打球が不規則に変化するのは日常茶飯事です。

2年連続でゴールデングラブ賞を獲得するなど、リーグを代表する名手

 その点を菊池選手に質すと、こんな答えが返ってきました。
「ほかの球場に比べると、確かに守備は難しいですね。雨が降ってなくてもツルンと滑りそうになる時があります。それに芝にも寝ているところと立っているところがある。だからボテボテの普通のゴロでも、バウンドするたびに左右に揺れる。どこで跳ねるか、絶えず疑いを持ってやっていないと、大変なことになりますよ」

 そんなハンディキャップもものかは、6日の巨人戦でも、菊池選手は超の字のつくファインプレーを連発しました。

 まず2回表、この回先頭の大田泰示選手の一二塁間の打球をスライディングキャッチでアウトにしました。

 3回表無死一塁の場面では、小林誠司選手の放った二遊間の打球をグラブのままショート田中広輔選手にトスし、併殺に仕留めました。あそこでボールを持ち替えていたら、併殺は成立していなかったでしょう。球際での高い技術はもちろん、ディシジョン・スピードの速さにも驚かされました。