ドイツ
ロシアの戦勝70周年記念式典が象徴する、「戦後」の終焉と現在のヨーロッパ情勢
ヒトラーと妻エファが拳銃自殺を図った総統官邸の防空壕 〔PHOTO〕gettyimages

地上も地下も地獄---1945年のベルリン

70年前の今日、5月8日、ヨーロッパの第二次世界大戦は終わった。

その18日前の1945年4月20日、ヒトラーはベルリンの総統用防空壕の奥底で、ナチスの高官たちに囲まれて56歳の誕生日を祝っていた。ヒトラーが3月16日に出した、ドイツ破壊の命令は実行に移されなかったが、ベルリンは、ドイツ軍が手を下さなくとも、ソ連軍がまもなく完璧に破壊してくれるはずだった。

ソ連の赤軍は4月16日よりベルリン作戦を開始しており、夜も昼も砲撃の音が鳴りやまなかった。しかし、電気もガスも水もないまま、ベルリンの防空壕の中では、逃げそびれた200万人の市民が暮らしていた。地上も地獄なら、地下も地獄。圧倒的多数は女性と子供で、そのうちの12万人は乳幼児だった。そんな中で、総統の誕生日は祝われたのだった。そして26日、ベルリンは完全包囲される。

4月29日、凄まじい爆音の響く防空壕の中で、ヒトラーは愛人エファと結婚式を挙げ、翌日そろって拳銃自殺をした。宣伝相のゲッペルスを除くナチの高官は、皆、すでにベルリンを脱出していた。しかし、ゲッペルスはおそらく、6人の子供を伴っていたので、逃げられなかったのだろう。そのゲッペルスがヒトラーとエファの遺体を燃やし、そのあと自分も妻と共に、6人の子供を道連れに自殺した。

〔PHOTO〕gettyimages
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