アベノミクス成長戦略の目玉、関西空港コンセッション「2・2兆円入札」が
官の論理優先で迷走中

関西国際空港。運営権を落札するところはどこか?  photo Getty Images

関西国際空港と伊丹空港の運営権を最低落札価格2兆2000億円で売却。契約期間は45年間――。

民間企業なら莫大な契約金額と超長期の契約期間に、どこもが躊躇するような入札が、5月22日(金)に迫っている。

 安倍官邸、財務省、国交省の思惑が「無理筋」入札に

「条件が厳し過ぎる。結局、不調に終わるんじゃないか」(空港関係者)

こんな不満の声が聞かれ、事実、1次入札の締切期限は、当初予定の2月10日から3ヵ月延長されたのだが、連休谷間の5月1日、オリックスが仏空港運営大手のバンシ・エアポートと連合を組み、入札参加を表明するなど、ようやく前向きな動きも出てきた。

それにしても、悪評の高い入札である。

本来、アベノミクスの成長戦略の「柱」のひとつが、公的施設の所有権はそのまま保持しながら施設の運営権を民間企業に売却するコンセッションだった。

その“目玉”の関空と伊丹の売却が迷走しているのはなぜか。

そこには、成長戦略ありきで売却を急ぎたい官邸、1兆2000億円の借金返済を優先させたい財務省、その意向を踏まえてシナリオを描いた国交省の思惑があり、それが結果的に“無理筋”の入札となった。

コンセッションのメリットは、自治体にとっては売却益を施設建設費の借金に充当できることであり、運営権を購入した業者にとっては施設運営のコスト削減や施設を活用した新たなビジネスなどで収益拡大に結びつけられることである。

すでに海外でも広く導入されているコンセッション方式は、日本では2011年5月の改正PFI法で、民間事業者による施設運営権が「公共施設等運営権」として規定され、その活用が期待されている。