日銀がコントロールする債券市場への投資家の不安

4月後半以降、世界的に金利が上昇している。ドイツの長期金利は4月半ばに0.07%台を付けた後、月末は一挙に0.36%まで上昇した。この背景には、欧州の景気回復期待が高まっているという指摘がある。しかし、それが本当に金利上昇の原因なのか、それだけで説明することは難しい。

足元の世界経済に付いては、むしろ不透明な部分が増えている。また、ギリシャの資金繰りも根本的な解決を見てはいない。それを考えると、最近お世界的な金利上昇はやや不可解な動きにも見える。

量的緩和は金利の変動性を高める

2013年4月、日本銀行は質的量的金融緩和を発動した。これは、池の中にクジラが飛び込むような政策だった。日銀が多額の国債を買い上げてしまうため、一般投資家は債券売買が困難になってしまった。結果として、日銀が債券市場を支配する構図が出来上がった。

質的量的金融緩和によって国債の売買が減ったため、少額の売買であっても金利が乱高下する状況が生じた。当時のバーナンキFRB議長が早期の利上げに言及したこともあり、金利のボラティリティは急上昇し、一時、長期金利は0.9%台を付けた。

特に金利のボラティリティが急上昇したことは、中央銀行による国債購入の圧力に乗じ、先物等を用いた投機的な動きに影響されている可能性がある。今回のドイツ金利の上昇、そして日米での金利上昇もこうした投機的な動きに影響された可能性が高い。