魚住りえ 第1回
「このお部屋には猫の絵がたくさん飾られていますが、シマジ先生はたしか猫派なんですよね」

撮影:立木義浩

<店主前曰>

今月のゲストは、チャーミングな容姿と類稀な美声の持ち主、フリー・アナウンサーの魚住りえさんである。

テレビ、ラジオを問わず幅広く活躍する彼女だが、現在は、天現寺の近くに教室を持ち、ナレーション技術を応用した「魚住式スピーチメソッド」を教えておられる。基礎的なグループレッスンは1回1万円、全6回で終了するプログラムとのことだが、このレッスンが多くの人に人気らしい。

たしかに、人の注意をひきつけ、なおかつ好印象を与える話し方は、ビジネスパーソンのみならず学生の就活にも役に立つ。スピーチが上手くなれば当然、営業トークの武器にもなるし、プレゼンの成功も間違いないだろう。聞けば、現役の弁護士までもが彼女の教室のドアをノックしてくるという。年齢や職業を問わず、それぞれのニーズに応えてくれるスピーチメソッドのようである。

魚住さんによると、名スピーチとは、内容ではなく話し方次第だという。言葉を音にして、いかにデリバリー(伝達)するか、その「伝える技術」を学んで実践すれば、誰もが名スピーカーになれる。それには腹式呼吸が肝となるのだが、6回のレッスンを受けて、常日頃から腹筋に意識をもっていくだけで、格段に違ってくるそうである。

にわかレッスンだが、今回はそのエッセンスをしっかり教わることにしよう。

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シマジ はじめまして。シマジです。

魚住 はじめまして。魚住と申します。どうぞよろしくお願いします。うわぁ、素敵なお部屋ですね。まるで美術館みたいです。こちらはご自宅とは別だそうですね。

シマジ はい、ここは仕事場兼バーとして使っていまして、自宅は一軒挟んだ向こうにあります。ここは狭いので、平成の「利休の茶室」と言っているんですよ。

魚住 じっくり拝見してもいいですか。

ヒノ まだ立木先生もいらしておりませんので、どうぞどうぞ、ゆっくりご覧ください。

シマジ ヒノ、それはおれがいうセリフじゃないか。

ヒノ そうでした。すみません。ぼくは黙ってネスプレッソを淹れることにします。