憲法改正へ、自民党が国民の支持を得るためのベスト戦略とは何か? 

自民党が憲法に盛り込もうとしている新たな権利

一日遅れだが、今日のコラムは憲法の話をしよう。

この時期になると、マスコミ各社が憲法改正について賛成、反対の世論調査を行う。

NHK、共同通信、朝日、産経FNNが行った世論調査では、それぞれ賛成と反対は、28%と25%、46.7%と42.3%、43%と48%、40.8%と47.8%だった。一言で言えば、賛成と反対が拮抗して、どちらが多数とは断言できない調査結果だ。

朝日の調査では、憲法9条について、変える方がよいは29%、変えない方がよいが63%だった。

自民党は憲法に新たな権利を盛り込もうとしている。緊急事態の際に政府が国民の権利を一時的に制限できる「緊急事態条項」、国や国民が環境保護につとめる「環境権」、次世代に借金を残さないようにする「財政規律条項」である。

いまの憲法でも十分は55%、加えるべきは36%だった。加えるべきと答えた人は、加えるべきものとして、「緊急事態条項」40%、「環境権」51%、財政規律条項」67%だった。

これを見る限り、今の自民党の憲法改正の手順はうまくいっていない。憲法9条ではなく、新たな権利の盛り込みを狙っているが、それが国民の支持を得ていない。

ただし、新たな権利の中で「財政規律条項」が比較的支持を得ているように見えるが、これは他の権利が魅力的でないとともに、財務省に変な期待を持たせるので、かなり不味い。

今の状況で、「財政規律条項」が規定されれば、過度な緊縮財政になってしまうのがオチである。その結果、経済が停滞し、国民経済に悪影響がでてしまう。これは、昨年4月からの消費増税でその後の経済が落ち込んだことを思い起こせばいい。

「財政規律条項」を憲法に入れるくらいなら、政府と中央銀行に対して雇用の最大化とインフレ目標を規定することのほうがいい。ちなみに、過度な財政赤字は酷いインフレと裏腹であるので、インフレ目標を入れることは「財政規律条項」を入れたのと同じ効果があるからだ。しかも、雇用の最大化を入れておけば、多くの国民は賛同するはずだ。