米倉誠一郎の「2枚目の名刺」を持とう
第6回 2枚目の名刺は社内でもつくれる

米倉さんの最新刊『2枚目の名刺 未来を変える働き方』(講談社+α新書5月20日刊)

一橋大学イノベーション研究センター教授で六本木アカデミーヒルズの「日本元気塾」塾長でもある米倉誠一郎さん。米倉教授が提唱する新しい働き方を通称 「2枚目の名刺」と名付けました。5月20日には『2枚目の名刺 未来を変える働き方』(講談社+α新書刊)が発売になります。

その「2枚目の名刺」を使いこなす働き方の大事なエッセンスを、10回にわたり米倉教授の短期集中講座としてお届けしています。

第1回『「2枚目の名刺」をまず作ってしまえ』、第2回『月並みだが大切なのは「2枚目の名刺」に込める志』、第3回『人生の多角化は強い』、第4回『チェンジ・オブ・ペース』、第5回『1枚目の名刺でポジションを築く』です。今回は社内ベンチャーと「2枚目の名刺」についてです。

「とりあえず社内ベンチャー」で試すのもアリ

NHKの番組「クローズアップ現代」にコメンテーターとして出演したとき、「社内ベンチャーは甘さがあって今までダメだと思っていましたが、今の時代ならありかもしれない」という話をした。

これまで多くの企業が社内ベンチャーを立ち上げてきたが、成功例は少ない。その理由は、ダメだったら元の職場に戻ればいいという甘さの中で、真剣に腹が括れていないからだった。

「本当にこれは面白い、寝食忘れてもやりたい」ということではなく、ちょっとしたアイデアをベースに会社のインフラに乗っかってチャレンジしてみよう程度の腹の括り方ではダメだと思っていたのだ。

最近までは、「ベンチャーに挑戦するなら会社の庇護などあてにせず、外に飛び出して不退転の覚悟でやれ!」というのが僕の主張だった。

しかし昨今、インターネットなどの優れたICTツールの爆発的な普及によって、時空間に想像以上の余裕が出てきた。電子メールやグループウェアを使えば、どこにいようとこれまでの半分以下の時間で仕事をこなしていける。

さらには、組織の枠を超えて協業することもきわめて容易になった。そんな状況が訪れた今、不退転の決意ではなくても気軽にアイデアを持ち寄って、とりあえず社内ベンチャーで試してみるというかたちも、頭から否定することはないと思うようになったのだ。

社内にはベンチャーにはないさまざまな経営資源が眠っている。その上、社外のリソースも十分に使えるとなれば、社内ベンチャーも自分の夢を叶える重要なツールとなっていると思う。

社内ベンチャーへの参画も2枚目の名刺の始め方の一つといっていいだろう。

それ以外でも、社内の兼職、兼務を奨励したい。例えば、営業部に在籍している人が、企画部の仕事を兼務するというのも面白い。営業現場で知った情報を企画部に持っていき新商品開発のアイデアを考える。

それも2枚目の名刺の一つだ。ただし、人が足りないから無理やり兼任させられているというケースはその範疇ではない。それは、モチベーションを下げる結果にしかつながらない。

優れた人材が一番大事にしているのは自由、次にくるのが義理人情だ。自由度のある組織であれば、人材は最大限の力を発揮する。そして、必ず恩返しをしてくれる。その人間観こそが新しい組織の根本原則のような気がする。 

(この連載は、『2枚目の名刺 未来を変える働き方』(講談社+α新書5月20日刊)の第5章のエッセンスを10回に分けて連載しています)

米倉誠一郎(よねくら・せいいちろう) 日本元気塾塾長。一橋大学イノベーション研究センター教授。
1953年東京生まれ。アーク都市塾塾長を経て、2009年より現職。
一橋大学社会学部、経済学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。ハーバード大学歴史学博士号取得(PhD.)。
1995年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年より同大学イノベーション研究センター教授。2012年〜2014年はプレトリア大学GIBS日本研究センター所長を兼務。
現在、一橋大学の他に、Japan- Somaliland Open University 学長をも務める。また、2001年より『一橋ビジネスレビュー』編集委員長を兼任している。
イノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセス、組 織の史的研究を専門とし、多くの経営者から熱い支持を受けている。
著書は、『創発的破壊未来をつくるイノベーション』、『脱カリスマ時代のリーダー論』、『経営革命の構造』など多数。今回の連載の「2枚目の名刺」をテーマにした最新作『2枚目の名刺 未来を変える働き方』(講談社刊)が5月20日発売となる。 

日本元気塾第4期塾生募集中! 申し込みは5月14日まで。
http://www.academyhills.com/


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