民主党 田中美絵子
「宿敵フライデーにぶっちゃけ120分!」

3月25日、初質問を終えた直後の田中美絵子議員。モノクロではわかり難いが、徹夜明けのため、目が赤い〔PHOTO〕鬼怒川毅

構成:小谷洋之 ジャーナリスト

「親しい先輩や同僚議員からは『よかったよ』と励ましていただいたんですが、ウチの両親にはダメ出しされました(笑)。
  緊張していたとか、早口だったとか。(本誌が撮った登壇時の写真を見て)目尻が吊り上がってますね・・・。私、緊張すると目尻が吊り上がるということを、選挙中に発見したんです。だから、できるだけ笑顔で質問するようにしたんですけど」

 ユッケビビンバをかき混ぜつつ、民主党・田中美絵子議員(34)はそう語るのだった。

 河村たかし名古屋市長の秘書だった彼女が衆院選に立候補したのは昨年8月のこと。

 河村市長直伝の自転車選挙活動を武器に、新人ながら、自民党の超大物・森喜朗元首相をあと一歩で落選というところまで追い詰めたのは周知の通りだ。そんな彼女が3月25日、衆院本会議代表質問の席に立った。「小沢ガールズ」では、福田衣里子議員(29)に続き2番手となる栄誉。焼き肉店でのインタビューはまず、この代表質問から始まった。

「緊張で目尻が吊り上っている!」(本人)という代表質問時の田中議員。厳しい顔ではある 〔PHOTO〕鬼怒川毅

「厚生労働委員会の理事から『本会議の代表質問に立って欲しい』と指名を受けたのは、本会議の前日でした。議案は国民健康保険法の改正法案だったのですが、健康保険法については政策会議で一度勉強しただけだったので、夜の予定をすべてキャンセルし、あわてて厚生労働省のレクを受けました」

 質問原稿を作るにあたり、党からスーパーバイザーがつくわけでもなく、彼女は一人、パソコンと格闘したのだという。

「私は乳ガンの未承認薬(ジェムザール)を承認してもらえるよう厚労省に働きかけていましたから、医療保険適用医薬品の承認促進に関する質問も盛り込んで・・・原稿自体はなんとか、その日のうちにできたんですが、言い回しを確認したり、発音をチェックしたりと、その後がまた大変なんです。
  アナウンススクールに通われる方もいるくらいですから。私はそれこそ声がかれるまで音読しました。サ行が言いづらかったりしますから・・・」

議員食堂にて。「(師匠の河村たかし)市長みたいな、芸人的なユーモアのある庶民派政治家を目指したい」〔PHOTO〕小谷洋之

 当日、メディアにA4用紙4ページからなる質問原稿が配られたが、これは彼女が作った原稿そのままだったという。

「明日のために早く寝なきゃと思ってたんですが、緊張してしまって、まったく寝られませんでした。ウトウトしたくらいで、結局、ほとんど徹夜。期限ギリギリの朝9時前に、なんとか質問書を国対委員会にメールで送りました。でも、YESともNOとも反応がない。
  大丈夫かなと思っていたら、私が送った質問書がそのままプリントアウトされて、本会議前の代議士会で配られてました(笑)」

 記念すべき初質問に際し、故郷・金沢から両親が傍聴に駆けつけた。が、長妻昭厚労相が「田中えみこ議員にお答え申しあげます」と、名前を読み間違えるアクシデント。

「大臣、ふだんの答弁では議員さんをフルネームで呼ばないんですが、本会議の場には『田中』がいっぱいいますから・・・慣れなかったんでしょうね。本会議の後、長妻大臣から謝罪のお電話をいただきました。その後、厚生労働委員会でも声を掛けていただき、おかげでだいぶ距離感が縮まりましたよ(笑)」

 上京してきた厳父が本誌の取材には、
「自分も議員にならないかと言われたこともあったけど、その夢を娘が叶えてくれた。国会や議員会館を見たかった」
  と上機嫌だったことも付け加えておこう。

 田中議員は代表質問を総括して、こう話す。

「もちろん緊張しましたけど、それ以上に光栄で身が震える想いでした。
  早く河村市長みたいに、質問原稿を下読みもせずに会議に出かけたり、手違いで自分の資料が手元になくても、『まあ、エエですわ』と動じずに質問を続けられるようなレベルになりたい」

   *

 当選から半年で初質問と聞けば、一見、順風満帆に見える。

これが、田中議員の記念すべき「はじめての演説」写真。隣は当時仕えていた河村市長だ 〔PHOTO〕小谷洋之(以下同)

 だが、田中議員は議員生活の船出から大波に襲われた。映画『盲獣vs.一寸法師』に出演し、異色ライターとして活動していたという「過去」の発覚。そして、それに伴うバッシングだった。

 そんな彼女にとって、「過去」を最初にスクープしたフライデーは宿敵以外の何物でもない―はずなのだが、彼女は本誌のインタビュー依頼に応じたのだった。

「過去があって今の自分があるわけですから。ウジウジしたり、逃げ隠れしたってしょうがない。国民の皆さんに認めていただけるよう、前を向いて活動していかなきゃいけない。そう思ったんです。当選して公人となったわけですから、起こったことすべてに責任をもたないといけないですから」

 つまり、フライデー編集部に殴りこむ意志はない、と?

「またそんな(笑)。誘導尋問~! でも正直、そんな余裕はないですね。過去を振り返っているヒマはないです。今週末も、参議院選挙の応援演説を頼まれていて、その原稿のことで頭が一杯で・・・」

 それでも3月26日、田中議員の過去を報じた本誌記事が「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の「話題賞」を受賞したことは、遺憾に違いあるまい。

「え、ウソ~!(笑)」

黒いエルグランドのストーカー

 現在、終電でアパート("師匠"である河村市長に倣って、議員宿舎に入居していない)に帰ってバタンキューという日々を送る彼女。しばらくはスキャンダルで「話題」となることもなさそうだが、そんな田中議員のプライベートにつきまとう輩がいたという。

「当選後、2ヵ月くらいですかね、常に黒のエルグランド、ナンバー55●●が自宅と議員会館前に停まっていたことがありました。いっつも同じクルマで、時には男の人がその前に立ってることも。怪しすぎますよね(笑)。
  ある時、黒エルグランドは当選のお祝い会の会場にも現れ、なんと、歩いてる私を追いかけてきたんです。途中、方向転換して、別の入り口から駅に入ったりしながら、会の他の出席者と電話で話したら、『イヤホンをつけてバイクに乗った男性が、田中さんを追いかけていたよ』と」

インタビューは国会にほど近い焼き肉店にて行われた。本誌男性スタッフに負けぬ食いっぷりであった

「そんなミエミエの張り込みで、他の方は気がつかないんですかね? あまりにロコツなので、警察に通報したら、週刊新潮さんでした(笑)。『彼女を狙っているワケじゃない。
  あの(田中議員の自宅)近辺の政治家はみんな取材している』と言っていたそうですが。結局、私を張っても何も撮れないと分かったのか、自宅に来なくなりましたけどね。ただ、一応、洗濯物は部屋の中に干してます。変な写真、撮られたくないですから(笑)」

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