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タイムマシンで近未来へのタイムトリップ 1年後('16年)3年後('18年)5年後('20年)クルマ界はこうなる!!(下)

インホイールモーター

クルマ界の未来的技術のひとつ、インホイールモーター。自動ブレーキは実用化されて普及段階にはいっているが、5年後の'20年までに実用化されることはあるのか?国沢光宏氏に聞いてみた。

★★★

NSXはフロントにモーターを2基搭載し、それぞれ独立で駆動。リアはエンジン+モーター

この問題、アチコチで実際どうなのとよく聞かれる。インホイールモーターはホイールにモーターが組み込まれているものというイメージが強いだろうが、広い意味でいえば左右輪を別個にモーターで駆動させるタイプもインホイールモーターと呼びます。

そ ういう意味でいくと、後者の場合、ホンダがすでにレジェンドにスポーツハイブリッドSH?AWDを搭載して実用化に成功している。レジェンドの場合、フロ ントに1個、リアに2個のモーターを搭載し、フロントはエンジンとモーター、リアは2個のモーターが個別に左右輪を駆動する。ようやく今年デビューする NSXはそのシステムの逆、モーターはフロント2個、リア1個、エンジンはミドというかたちだ。

ス ポーツハイブリッドSH-AWDでは、主となる駆動輪は左右独立で駆動していない。ここがポイントなのだ。4輪をすべて独立で駆動させると、例えばフロン ト片側1輪が壊れた場合など、インホイールモーター支持者などは、横風を受けた時くらいの挙動の乱れ、というが、高速道路なら軽く1車線くらい飛ばされて しまう。タイミングが悪ければ他車にヒットして事故ですね。

4輪を独立で駆動する場合、現段階でこの駆動抜けを技術的に克服できていない。

で はホイールにモーターを組み込んだタイプのインホイールモーターは実用化されるのか?と聞かれれば、当面ないでしょうね、となる。10年いや20年はない んじゃなかろうか。それは、ほとんどメリットがないからだ。まず、モーターを組み込むことでバネ下重量が重くなり速度が上がれば上がるほど不利になる。ク ルマ好きならこの理屈わかると思う。

さらにブレーキをどうするのか、ホイールを割るケースだってあるがどうするか、など克服すべき問題は山積。

インホイールモーターにする最大の目的はトルクベクタリングにあるが、一部の特殊なスポーツモデルを除けばトルクベクタリングが必要とされるケースはほとんどないと思う。コストだってかかるから、コストパフォーマンスの面でもメーカーが採用するとは思えない。

ということで、残念だがインホイールモーターの実用化は5年程度ではありませんね。ただ、そんな機構なくても楽しく曲がるクルマは出てくるだろうから心配いりません。

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