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タイムマシンで近未来へのタイムトリップ 1年後('16年)3年後('18年)5年後('20年)クルマ界はこうなる!!(上)

このワイド特集ではもう次の1年後の'16年、3年後の'18年、そして東京五輪が開催される5年後の'20年までのクルマ界を予測してみた。「来年のことを言えば鬼が笑う」というが、さてどんなものか!?

EV、PHV、ディーゼル…… 次世代カーの動向を占う

ハイブリッド車

国内新車市場での現在のハイブリッド比率は約18%と、先進国のなかではかなり高いのが日本。そのシェアはトヨタが約70%、ホンダが約15%とこの2社で8割以上を占めているが、経済産業省は'20年の新車販売台数比率をハイブリッド車は20~30%と、政府目標を定めている(※)。

プラグインハイブリッド車

現状ではプリウス、アコード、アウトランダーの3車種のみだが、ほかに量販車種でPHVを採用するモデルが続いてこない。コストパフォーマンス面で通常のハイブリッド車に比べて不利なため、まずはハイブリッド車の改良を進めた後、電池価格が低下してコストが抑えられるようになった段階でプラグイン化が進むことになるだろう。

EV

i-MiEVとミニキャブMiEV、リーフとe-NV200と出ているものの、肝心の航続可能距離はまだまだガソリン車に及ばず、近距離コミューターとしての役割というのが現状。経済産業省では、'20年までにEVとPHVとを合わせて新車販売比率を15~20%としているが、これはちょっと厳しそう。

クリーンディーゼル車

マツダが孤軍奮闘しているクリーンディーゼルだが、経済産業省では'20年までに5%の新車販売比率を見込んでいる。他社の動向次第で変わる可能性あり。

FCV

トヨタのMIRAI、そしてホンダのFCVコンセプトが発表され、さらに水素の価格も1kg1000~1100円と民間ではすでに発表ずみ。国のロードマップでは'25年までに200万台、'30年以降は700万台と目標を掲げているが、さすがにこれはかなり厳しい情勢。

※※※

さて、ここまでいわゆる噦次世代カー器の動向を占ってきたが、自動運転も一部で実用化されている'20年、そのいっぽうでレシプロエンジンはその時にどのように進化しているのだろうか?鈴木直也氏に技術面からみた予測を立ててもらった。

★★★

技術の進歩が早い昨今、5年後のことだって予想は簡単じゃない。しかし、それでも技術の進化にはセオリーがある。

それは大衆消費財の技術進化は、常にコストダウンの強い圧力を受ける、ということ。

時々大きな技術革新の波が来て、より高コストな技術が登場することはあるが、その後には必ず、それをより安く実現するために大きなエネルギーが費やされる。

最近の例でいえば直噴ターボ、ひと昔前ならDOHC4バルブがそのいい例。パフォーマンスや燃費効率改善のため、こういう大きな技術革新のブームがくるが、ひとたびそれが噦トレンド器となると、今度はそれをより低コストで実現したものが市場での勝者となる。

まずは、現在出揃っている燃費効率アップのための技術、すなわちダウンサイズ直噴ターボやクリーンディーゼル、高圧縮比化とアトキンソンサイクルのセットなどが、軽などを含めて低価格ゾーンのクルマにも広く普及する。

もちろん、これは内燃機関オンリーの話じゃなく、こういうエンジンと組み合わせてハイブリッドもより簡略化された48ボルトシステムが増えてくる。これがまず大筋での5年後の技術トレンド予測といえるだろう。

もうひとつ、最近のエンジン技術開発の最大のテーマは、言うまでもなく燃費効率の改善だが、環境規制の強化とあいまって、その達成目標は過酷化するいっぽう。EUのCO2排出量135g/km規制などは、クルマ作りの常識を根本から変える大きな影響力を及ぼしている。

こういう規制があると、燃費改善のためなら多少の無茶もOKというコンセンサスが生まれる。その片鱗はすでに一部の市販車にあらわれていて、例えばBMWがミニのみならず、BMWブランドの2シリーズアクティブツアラーにまで1・5ɜの直列3気筒エンジンを搭載してきたのがその象徴。燃費改善のためなら、もはやいっさいのタブーなどない時代がやってきたのだ。

だから、この先5年で燃費効率アップのためにOHVが復活するとか、リンクなどを使った機械式のアトキンソンサイクルが登場するとか、新しい発想のエンジンが登場してくることだってじゅうぶん考えられる。

また、燃焼技術についても、これまで技術的に困難だったHCCI(予混合圧縮着火)燃焼などが、金に糸目をつけない技術開発によって量産化される可能性もある。

実際、欧州勢の最新直噴エンジンは希薄燃焼モードを備えるのが常識になりつつあり、その先のHCCI実現まではあとひと頑張り。また、SKYACTIV技術でレシプロエンジン界に旋風を巻き起こしたマツダも、次世代SKYACTIV-GではHCCIの実現を虎視眈眈とねらっている。

こういう予想は「当たるも八卦当たらぬも八卦」なんだけど、ひとつでも実現してくれたらワタクシとしては本望ですね。

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