部下に具体的な指示を出す
~「世界基準の上司」を目指して(第2回)~

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【第1回】はこちらをご覧ください。

具体的な指示とは「課題解決の方針」

上司の価値は、部下にどのくらい具体的な指示を出せるかに大きく依存する。意志決定をすれば「後は部下がやるべきだ」「部下は顎で使えばいい」と考えているならそれは論外で、上司の役割の勘違い、誤解に他ならない。

部下に指示を出す時、できるだけ具体的な指示をする必要がある。あいまいな指示でこちらのニーズを理解してほしい、汲み取ってほしいというのは無茶な願いであり、上司の横暴、わがままだと考えている。そういうことはしていないと思っている上司でも、うっかりあいまいな指示をすることがある。

もう少しましなケースで、自分は具体的な指示をしているつもりでも、何が欲しいかを口頭で伝えるだけで、どう実現するかはあまり説明しないこともかなりあるのではないか。部下より情報量が多く、経験豊富で全体像を掴んでいる上司なら、実現方法まで踏み込んで指示をする方がよほど早く進む。

「課題解決の方針まで出すと部下を甘えさせることになる」ということで、わざと答えを言わない上司もいるようだ。ただ、私はこれは部下のためを思っているというよりは、意地悪さが半分、課題解決方針を上司自身があまり持っていないことが半分ではないかと疑っている。

部下に意地悪をする理由は全くないにもかかわらず、自分も昔そういう扱いを受けたとか、内心で部下の頭の良さを妬んで、ついそういうことをやってしまう。「最近のやつは恵まれている」「ちょっとたるんでいる」というほとんど根拠のない妬みから来る意地悪さだ。

課題解決方針を上司が持っていないのはかなり恥ずかしいことだと思うが、決して希ではないようだ。課題解決方針のイメージを自分が持っていない状況でも、部下に指示をし「部下に考えさせている」「それが部下にとって非常によいトレーニングだ」ということで、よしとしているのではないだろうか。
 

世界基準の上司
著者= 赤羽雄二
KADOKAWA/中経出版 / 定価1,512円(税込み)


◎内容紹介◎

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