「自分の意見を伝えられる子どもに育てる」
【第6回】表現力とは「分解して、特定して、引き合いに出す」こと

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【第5回】はこちらをご覧ください。

自分の意見を言うために必要なこと

「自分の意見を言う」と考えると、「発信力を鍛えよう」「語彙を増やそう」「物おじせずに話せるようになろう(人前でも緊張しないで話せるように鍛えよう)」というようなことを思い付くかもしれません。ですが、自分の意見を言う際に必要なのは、単に「言う」ということだけではありません。

「自分の意見を言う」ためには、クリアしなければいけない段階があります。それは、

1)自分の考えを、自分で把握する
2)自分の考えを、頭の中で整理し、まとめる
3)自分の考えを、言葉にして相手に伝える

の3段階です。

自分の意見を他人に伝えるためには、まず自分がどんな意見を持っているのか、何を言いたいのかを自分自身でわかっていなければいけません。「そんなこと、当たり前でしょ」「わざわざ考えなくてもわかるよ」と思うかもしれませんが、じつはそんなに簡単ではないのです。

この連載で何度も触れているように「どう思った?」では何も言葉が出てきません。「日々の生活でどう感じている? 率直に言ってください」といきなり聞かれても、ほとんど人が何も言えないでしょう。「どう感じてるって聞かれても・・・」と困惑するだけだと思います。

自分が考えていることを言葉にしたり、文字にしたりするのはそれなりに難しいことです。大人ですら難しいのに、子どもがそれを簡単にできるはずがありません。

「話し方」や「発表」のトレーニングをする前に、まず自分が言いたいことが何なのか、を把握することが重要なのです。

この場合、「把握」というより、「発掘」と言った方がいいかもしれません。何かを見たり経験したりした時、自分は何かしらのことを感じています。でも、感情を言葉にすることに慣れていないと、その感情をうまく他人に伝えることができません。雲をつかめないのと同じで、そこに存在していることはわかっても、言葉にできないのです。