カギは南シナ海での中国の脅威にあり! ホルムズ海峡と安保法制の手続き論に拘る左派マスコミの空虚 
最大のテーマはやはり「中国の脅威に日米でどう対抗するか」だった    photo Getty Images

やはり、最大の脅威は「中国」である。新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)の合意、および日米首脳会談で安倍晋三首相とオバマ大統領がもっとも力を入れて取り組んだのは「台頭する中国に日米がどう対応するか」という課題だった。なかでも、今後の焦点は尖閣諸島ではない。むしろ南シナ海だ。

機雷掃海も邦人保護も「小さなテーマ」

私は2週続けて当コラムで「安全保障法制を見直す根本的な理由は中国の脅威に対抗するためだ」と強調してきた(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/42934http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/43029)。

中国の脅威を名指しして指摘しないと、なぜ集団的自衛権を限定容認して安保法制を見直すのか、国民は話が腹に落ちないのではないか、と思ったからだ。首相と大統領が今回、会談で名指ししたことですっきりした。

だが、見直しに反対する一部の左派系マスコミは、もしかすると勘違いしていたのではないか。たとえば、ガイドラインの合意を受けた4月28日付の東京新聞1面トップ記事は「戦時の機雷掃海明記」という見出しを掲げて、ホルムズ海峡での機雷掃海に焦点を当てて報じている。

機雷掃海も大事だが、はっきり言って日本から遠く離れたイランが仮に機雷を敷設したところで直接、日本を攻めに来るわけではない。なぜ、ホルムズ海峡の機雷掃海に焦点を当てたかといえば、これまでの政府の説明や与党協議がそうだったからだろう。

目先の議論に目を奪われてしまい、自分自身の頭で物事の本質を考えない。だから、いつまでもホルムズ海峡の議論にこだわっている。なんのことはない、政府を批判しているようでいて、自分自身が政府の説明にとらわれているようだ。

あるいは朝鮮半島有事で避難する邦人を輸送中の米艦防護についても、あれこれとさんざん議論された。しかし、機雷掃海も邦人保護も「いま現実に日本の平和と安全を脅かしているのはどの国か」という大テーマに比べれば、せいぜい「あるかもしれないシナリオ」の1つ、小テーマにすぎない。

目下の大問題は、そんな可能性の話ではない。軍事力を肥大化させ、現実に尖閣諸島や南シナ海の周辺諸国を脅かしている中国の脅威にどう対抗するか、である。中国は南シナ海で複数の岩礁を埋め立てて、急ピッチで軍事基地化を進めている。領有権をめぐってフィリピンやベトナムなどと争いがあるのに、既成事実化を図っているのだ。