グーグルも注目するオーダーメイド医療と遺伝子操作技術の最前線
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先週、中国で行われた「人の受精卵の遺伝子配列を変える実験」が、世界的な物議を醸している。

●"Chinese Team Reports Gene-Editing Human Embryos" MIT Technology Review, April 22, 2015
 

いったい何のために?

人の受精卵(あるいはヒト胚:human embryo)の遺伝子を操作すると、通常の治療法では対処不能な遺伝性疾患などを、赤ちゃんが生まれる前に予め治してしまえる、という大きなメリットがある。

が、一方で操作を誤ったり、思わぬ副作用が出た場合、そこで生じた悪い結果が代々まで遺伝的に継承されてしまう恐れもある。また病気への対処法としてではなく、生まれてくる赤ちゃんの容姿や知能、性格などを親が自由に決めてしまう、いわゆる「デザイナー・ベビー」に使われてしまう懸念もある。

そのため研究者の間では、「この技術に関する安全性、そして倫理面における世界的な合意が確立されるまでは、ヒト胚への適用にはモラトリアム(一時停止)をかけるべき」との機運が高まりつつあった。そんな矢先に今回の実験が為されてしまったことになる。