「熱量をもって発信することで、情報に厚みや唯一性が生まれる」---訪日メディアMATCHA代表・青木優さんインタビュー【後編】
訪日メディアMATCHA代表・青木優さん 4月21日取材

2014年、訪日外国人旅行者数が1341万人を超え、過去最高を数えた。2020年には2000万人を超えるとも言われ、インバウンド観光に力を入れる行政・企業、プロジェクトが多く生まれている。そこで重要になるのは、訪日外国人向けの情報発信だ。

この数年でも、グーグルの「COOL JAPAN on Google+」や経産省の「100 Tokyo」、アソビシステムの「もしもしにっぽん」などさまざまな訪日外国人向けのWebメディアやプラットフォームが誕生し、英語で情報を届けている。今回は2014年2月にスタートした訪日外国人向けWebメディア「MATCHA」を紹介したい。運営開始から1年と少しが経ついま、株式会社Sen代表の青木優さんにインタビューを実施。後編ではMATCHAが大事にしていることや今後の展開などについてお伝えする前編はこちら

「行動や新しい体験につながれば、価値ある1ページビューになる」

――MATCHAでは、重要な数値指標を「メディアを通じて、実際に読者が動いてくれること」としています。改めてこの考え方について教えてください。

青木:その考えは一貫して変わっていません。やっぱり、体験というのは、その人の人生を作り、豊かさをもたらしてくれるものだと思っているからです。サイトへの訪問が単なる1ページビューとして消費されるのではなく、行動や新しい体験につながれば価値のある1ページビューになります。新しい体験のきっかけになることを大切にして、積み重ねていくことがメディアの価値になると考えています。

――青木さんがMATCHAを語るとき、「熱量」という言葉をよく使われます。

青木:さきほどの人を動かすことと、熱量はリンクしています。その場所が好きな人や生活する人が熱量をもって発信することで、情報に厚みや唯一性が生まれるのではないでしょうか。そのほうが共感を生みやすく、書き手の色というかほかの文章との違いが残り、人を動かすことにつながるのではないかと信じています。現在は日本語のオリジナル記事を多言語に展開していますが、今後は実験的に海外のオリジナル記事をつくることもしてみたいです。

――Webメディアでは珍しく特集をおこなうこともありますね。雨の日、中野、戸越銀座、佐賀・・・特集の手応えはいかがでしょうか?

青木:特集をやると、メディアの中と外のどちらにもいいことがあります。中については、ある程度テーマを与えた企画・ライティングを通じて、ライターや編集者のコミュニティが活性化し、新たな発見につながることもあります。特集というかたちからメディアらしさや雰囲気が生まれるとも感じました。

外については、読者がどんな情報を必要としているのか分からないことがあるので、特集のように一貫性をもった切り口でボリュームのある特集ができれば、そこに旅行に行く際にプランを立てやすいと思います。また、特集では集中的に記事を出していくので、さまざまな反応があるのもおもしろいです。

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